録画取得率が10%未満→95%超に!ACES Meetで実現した商談可視化と再現性のある営業体制

株式会社インゲージ
執行役員 兼 ビジネス本部 本部長
松田隆宏さん
- フィールドセールス
- 従業員数:51-100名
導入前の課題
- 商談の録画取得率が10%未満と低く、重要な商談の記録が残らないケースが多発していた
- 商談プロセスが可視化されず、属人的な報告やマネージャーの主観的なフィードバックにより、営業育成や判断の精度にばらつきがあった
導入の決め手
- Botによる自動参加と録画機能で、全商談の記録を自動化し、商談データの網羅性を向上
- AIによる高精度な自動要約を活用し、議事録作成やナレッジ共有の負荷を軽減
導入後の効果
- 録画取得率が95〜98%まで向上し、ほぼすべての商談の可視化と振り返りが可能に
- 育成・マネジメントの質が改善し、オンボーディング期間が従来の3ヶ月から2ヶ月に短縮された
複数チャネルの問い合わせ対応を一元管理できるクラウドサービス「Re:lation(リレーション)」を展開する株式会社インゲージ。今後の事業拡大を見据え、営業組織の再現性向上とマネジメント体制の強化を重要なテーマとして掲げています。
しかし、従来は属人的な営業スタイルに依存しており、商談内容の記録やナレッジ共有に課題を抱えていました。記録の取り漏れや主観的な報告が原因で、マネジメントの精度やフィードバックの質にばらつきが生じていたといいます。
そうした中で導入されたのが、商談の自動記録とAI要約によって営業活動を可視化するツール「ACES Meet」でした。導入後は記録精度の飛躍的な向上に加え、育成・マネジメント・提案活動といった営業プロセス全体の質が大きく改善されたといいます。
今回は、同社で営業・ビジネス部門を統括するお二方──執行役員 ビジネス本部長の松田隆宏氏、営業部長の片山幹大氏に、ACES Meet導入の背景と具体的な成果について詳しくお話を伺いました。
目次
“なぜ”が見えない営業現場!ブラックボックス化した商談プロセスが課題に
ーー ACES Meet導入前、営業組織としてどのような全体課題を感じていたのでしょうか?
松田「ビジネス本部では、『組織を筋肉質にし、出力を最大化する』という方針を掲げていました。今後、事業が拡大する中で多様な人材が加わることが想定されており、その際に属人的な営業スタイルでは再現性が担保できないという危機感があったんです。だからこそ、ナレッジを組織に蓄積し、誰がやっても一定の成果が出る営業体制を築く必要があると考えていました。」
ーー そうした中で、現場ではどのような課題が顕在化していたのでしょうか?
松田「最も大きかったのは、営業活動のブラックボックス化です。顧客関係管理システム(CRM)上のメモやメールの履歴など、「結果」は追えますが、「なぜそうなったか」という商談プロセスは可視化されておらず、マネージャーが事実に基づかないフィードバックをしてしまうことがありました。担当者側も主観的な報告が多く、同じ「検討中」でも、実際は温度感が低いケースが混在していたのです。マネージメントする側にもフィードバックの質にもばらつきがあり、誰の指導を受けるかで成長スピードに差が出てしまう状況でした。」
決め手は記録の自動化とAI要約!営業の本質課題に伴走する提案力に信頼感
ーー 当時抱えていた課題に対して、どのような対策を取られていたのでしょうか?
松田「商談内容の可視化を目的に、Zoomなどと連携が可能な録音機能付きのツールを導入しました。しかし、実際に記録が残った商談は全体の10%未満にも満たず、確認したい重要な商談に限って記録が残っていないという状況が続きました。原因は明確で、録音を手動で開始する必要があったため、現場での定着が難しかったのです。
また、音声が残っていたとしても、単なる会話の記録だけでは商談の背景や文脈、話し手の意図までは読み取ることができませんでした。
たとえば、顧客からの「検討します」という発言が、実際には辞退の意向を含んでいる場合でも、担当者が前向きな反応として受け取ってしまい、結果として不正確な報告や判断に至ることがあります。録音だけでは、表情や声のトーンといった非言語情報まで把握するのは難しいと感じていました。」
ーー そうした課題に対し、ACES Meetのどこが決め手となりましたか?
片山「ACES Meetを導入する判断で最も大きかったのは、Botが自動で商談に参加し、録画を録ってくれる点です。人の操作に依存せずに、自動的に記録される仕組みであれば、以前までのように商談記録の取り漏れを防ぎ、網羅的なデータの蓄積が可能になると感じました。
さらに魅力だったのは、AIによる自動要約機能です。議事録としてすぐに活用できるレベルの精度で、実務に直結するアウトプットが得られる点に惹かれました。
加えて、導入の後押しとなったのは営業担当の方の対応です。単に製品説明にとどまらず、「業務のどこに課題があり、何を変えればどのように業務が変わるのか」といった部分まで一緒に整理してくださったんです。こちらの業務理解に深く踏み込んで伴走してくれる姿勢に、信頼感と納得感がありました。
プロダクトの機能性と、丁寧なサポートの両面が導入を決める大きな要素となっています。」
録画取得率10%未満→95%超に!営業の質と育成スピードが飛躍的に向上
ーー ACES Meetを導入されてから、どのような成果や変化がありましたか?
片山「主な成果は、大きく3つあります。まず、商談の記録網羅率が飛躍的に向上したことです。次に、議事録作成の効率化が実現したこと、そして営業担当が商談に集中できる環境が整ったことです。
先ほどもお伝えしたように、以前は録画取得率が10%未満でしたが、現在は95〜98%に達してほぼすべての商談が記録されるようになりました。AIによる自動要約の精度も高く、以前は15〜20分かかっていた議事録作成が5分程度に短縮されました。
また、録画が残ることでメモを取る必要がなくなり、お客様との対話に集中できるようになった点も大きな変化です。営業が本来注力すべき「ヒアリング」と「提案」に集中できる環境が整い、結果として営業活動全体の質が向上していると実感しています。」
ーー ACES Meetのデータはどのようにマネジメントに活用されていますか?
松田「顧客関係管理システム上の情報やメンバーからの相談内容を踏まえ、注力すべき案件や進捗が停滞している商談を優先的に確認しています。そのうえで現場と状況を共有し、適切なアクションを議論できるようになりました。必要に応じて並走する体制も取りやすくなり、マネジメントの質そのものが向上したと感じています。」
片山「私は週に約30件の商談を確認しています。冒頭と終了部分を2.5倍速で見れば、短時間で要点を把握できます。以前は商談に同席しないと内容を把握することができませんでしたが、記録が網羅されたことで確認できる件数が格段に増えました。特に期末など、重要案件が集中するタイミングでは、進捗の妥当性を見極めて必要なアクションを判断するうえで非常に役立っています。」
ーー フィードバックの質という点では、どのような変化がありましたか?
片山「以前は「失注しました」といった結果の共有にとどまっており、その結果に至った背景の分析分析や改善策の議論が難しい状況でした。現在は、記録された商談プロセスを通じて、どのタイミングでどのような判断があったのかを振り返ることが可能になり、失注要因の特定や改善策の実行を実現しています。また、それらの知見を他メンバーとナレッジとして共有できるようになったことも大きな変化です。」
ーー 新人育成において、オンボーディング期間に変化はありましたか?
片山「商談データの網羅性が高まったことで、多様なケースに基づいた事前学習が可能になり、オンボーディングのスピードと質が大きく向上しました。従来は実際の商談に同席できるまで、学習機会を待つ必要がありましたが、現在は用途別に整理された商談録画を活用し、必要な知識を自習できる体制が整っています。結果として、従来は3ヶ月ほどかかっていた商談デビューが、ACES Meet導入後は2ヶ月目には上長同席のもとでデビューが実現できるようになりました。」
属人化を防ぎ、再現性を高める!営業組織の強化に貢献するACES Meetの魅力とは
ーー ACES Meetのオンボーディングやサポート体制について、どのように評価されていますか?
片山「非常に満足しています。対応が迅速であることに加え、こちらからの問い合わせに対しても、丁寧な経過報告を含めてご連絡いただけるため、安心して運用できています。導入初期の営業担当の方から、現在のカスタマーサポート担当の方まで、一貫してコミュニケーションがスムーズで、気持ちの良い対応をしていただいています。」
ーー どのような課題を抱えている企業にACES Meetをおすすめしたいと思いますか?
松田「今後、データをもとにした意思決定の精度を高めたいと考えている企業には、非常に有効だと思います。また、組織が拡大フェーズにあり、メンバーの増加に伴って業務の再現性が求められるようになってきた企業にも適していると感じています。」
片山「営業組織を持つ企業であれば、広く活用されるべきツールだと考えています。特に、売上を伸ばしていきたいと考えている経営層や、理想とする営業組織の姿にまだ到達できていないと感じているマネージャーの方には、ぜひ検討していただきたいです。
営業活動には、可視化が難しい要素が多く含まれています。しかし、オンライン商談の普及によって、可視化できる範囲が格段に広がっています。こうしたデータを正しくに捉え、現場をより深く理解しようとする姿勢を持つ方々にとって、ACES Meetは非常に有効な支援ツールになると確信しています。」
株式会社インゲージ・公式HP:https://ingage.jp/relation/
- ■お話を伺った方
松田隆宏さん
- ■取材・執筆
西條真史