文書管理のコンサルタントがヒアリング時の文字起こしで活用。より質の高いコンサルティングに向けてトライアルで重視したのは“精度”と“納得感”
日本レコードマネジメント株式会社
マネージャ
岡田知子さん
- コンサルティング
- トライアル
- 従業員数:501-1000名
- 議事録
導入前の課題
- アナログな方法では大規模なプロジェクトに対応しきれなくなってきていた
- 議事録作成は工数だけでなく心理的負担もあった
ACES Meetの活用法
- 議事録を作成する目的でコンサルタントがMTG時に使用している
- 将来的にはOJTへの活用も検討している
導入後の効果
- 議事録の品質が向上し、内容をチェックする作業時間が減少した
- 議事録作成の負荷が減少し、作成担当者もMTGに積極的に参加できるようになった
日本レコードマネジメント株式会社は、情報資産の適切な管理と有効活用を実現するコンサルティングおよびアウトソーシングを専門に行っている会社です。創業は1976年で、アメリカで普及していた記録情報管理の概念を、日本で最初にサービス化したパイオニア企業でもあります。
今回は、コンサルタントの岡田知子さんに、ACES Meetを導入したきっかけやトライアルで見極めたポイント、そして実際に使用してみた感想についてお話を伺いました。
目次
DX推進の一環で知ったACES Meet
ーー最初に、御社のことを教えてください。
弊社は定型的な商材は提供しておりません。レコードマネジメント(記録情報管理)をサービス化し提供している文書管理のコンサルティング会社として、中立的な立場で一般企業さまや公的機関の組織の価値を高めることを目的に、情報資産管理に伴う戦略立案、業務プロセス改善や管理業務の支援などに取り組み、お客様の課題やニーズにオーダーメイドでお応えすることが仕事です。プロジェクトは、お客様のさまざまな状況をヒアリングさせていただくところから始まります。
サービスの特長として、お客様は一つの部門だけでなく、全社的な運用の見直しを依頼されることがほとんどです。そのため、プロジェクト進行中は組織のさまざまな部署の方々から詳細にお話を伺う機会が必然的に多くなります。
弊社は少数精鋭です。しかし、これまでのアナログな方法では、大規模なプロジェクトに対応しきれなくなってきました。またDXを商材の一つとしている私たちとしては、AIツールの導入を検討し、提案することも重要です。
私が担当しているお客様の中でも、DX推進を検討したいというご要望があります。その際、お客様のニーズに合ったツールを一緒に考える中で、さまざまなツールを探し、自分たちでも良いと思ったものを取り入れるようにしています。
この取り組みの一環として、議事録の自動化という側面から、ACES Meetを知りました。
ーー御社でツールを導入する際は、コンサルタントが主導されるのでしょうか?
弊社では、ツールの導入に関しては主に研究開発部門が主導していますが、事業部単位で導入するツールもあります。今年度は、私が事業部で使用するツールの選定を担当しており、さまざまなツールを検討してきました。ACES Meetの導入検討も、私が主導する形で進めました。
ーー岡田様もACES Meetを導入するにあたって、他のツールもご覧になったり試されたりしたかと思うのですが、今回、何ツールぐらいご覧になったのでしょうか?
トータルで6社のお話を伺い、そのうち4社のツールをトライアルさせていただきました。
2社については、成果の部分で求めている品質に達していなかったため、最終的にはACES Meetともう1社を試すことになりました。トライアルには、複数の事業部のメンバーに協力してもらい、幅広い人数と職種で実施しました。
ツールの選定基準は機能の“精度”とメンバーの“納得感”
ーー重点的に確認したかったのはどんな点だったのでしょうか?
確認したかったのは、文字起こしの精度と議事録をまとめる能力です。これがナレッジを蓄積するベースとして、どれくらい活用できるかを考えていました。
また、特にコンサルティング案件が多いメンバーにトライアルに協力してもらい、その中での使用頻度も確認したかったのもポイントでした。ツールを導入しても、実際にあまり使われなければ意味がないと考えていました。
トライアルでは、参加したメンバーが納得感を得られるかどうかも重要だと考えています。さまざまなお客様からDXに関するご相談をお受けしているため、メンバーであるコンサルタントそれぞれが独自の考えを持っていることは理解していました。そのため、トップダウンで「これを使おう」と決めても、納得感が得られないと意味がないと思ったのです。
正直なところ、ACES Meetと他社のツールを比較した際に、たとえばUIに関しては他社の方が優れているという意見もメンバーから出ました。導入にあたって何を重視すべきかについて議論し、メンバーは使用するシーンを具体的に考えた結果、最終的にACES Meetの方に納得感が高かったのだと思います。
ーー他社では導入推進者が1人で決めるケースもあります。なぜ御社では複数の方で検討されたのでしょうか?
単純に、私がみんなとディスカッションをしたかったからです。今回は、コンサルティング案件が多いメンバーに加えて、マネージャや事業部長など、さまざまなレイヤーの人たちを巻き込みました。
トライアルには議事録を取ることが多い若手メンバーにも参加してもらいました。彼らがツールを使ったときに、どれほどの成功体験を得られるかも実感してもらいたかったからです。
ーーここでおっしゃる若手メンバーの成功体験とはどのようなことを指しているのでしょうか?
若手メンバーの成功体験には2つの側面があります。
1つ目は、自分の作業が自動化された際に、どれだけ作業効率が向上するかという直接的な効果を確認することです。たとえばですが、ツールを使うことで、作業の心理的負担がどれだけ軽減されるかを感じてもらうことです。「聞き漏らしてはいけない」というプレッシャーもありますから。
議事録を取る作業には、主観が影響しやすい部分があります。一言一句を完全に記録するのは難しい中で、やっている人間のバイアスがかかりがちです。このバイアスをできるだけ排除し、物事を俯瞰的に見ることへの成功体験をしてもらいたかったのです。
もう一つは、会社から与えられたツールをただ使うのではなく、自分たちで検討して導入したという体験を若手に経験させ、DXツールの導入時にどのような視点や検討が必要かを実感してもらうということです。
文字起こしと話者分割の精度、そして付加価値が導入の決め手
ーー最終的にはどんな点がACES Meetの導入の決め手になったのでしょうか?
実は、もともと議事録ツール単体の機能だけを見て検討をしていました。しかし、ACES Meetは議事録ツールというよりも、商談分析や育成のツールだと思います。御社の営業担当の方からツールの説明を受けたことで、利用シーンが広がったと感じました。議事録を取るだけでなく、付加価値がある点が魅力的でしたし、他社と比較しても文字起こしの精度や話者分割の機能が優れていたことも大きな決め手となりました。
私たちはコンサルティングを生業としているためか分析好きが多いのですが、トライアルメンバーの中でも特に若手が熱心に比較や分析を行ってくれました。そのなかで、全員が「ACES Meetの文字起こしの精度が高い」と評価したことも、導入の決定に影響したと思います。
ーーご評価いただきありがとうございます。文字起こしと話者分割の精度に関しては、弊社の開発チームが日々研究していることと、AIを活用した話者分類技術に関する特許技術が影響しているかと思います。
文字起こしの精度について、他社からは「マイクの性能も影響する」との話もありました。ですが、同じマイクと同じ音源を使ってトライアルを複数件行った際に、ACES Meetの精度が桁違いで高かったのは驚きでした。精度に関しては非常に満足しています。
また、サポート体制の充実度も決め手の一つでした。カスタマーサクセスや営業担当の方に手厚いサポートをしていただいたことで、非常に安心感がありました。これはトライアルメンバー全員が共通して感じていたことです。SaaSツールでここまでの手厚いサポートは期待していなかったので、その点でも非常に満足しています。
業務品質の向上と長期的に利益に寄与できるかどうかも重視
ーーまだ導入いただいてから日が浅いとは思いますが、現在はどのようにお使いいただいていますか?
以前は、議事録を作成してもらって確認する際に、自分の印象と異なる部分があった場合、「あれ、そうだったかな」と思って音源を聞き直すことがありました。その際、音声を頭から倍速で聞き返すことが多かったです。
しかし、ACES Meetであれば文字起こしされていますし、20秒ずつ発話が区切られていたり、話者の確認ができたり、単語検索もできるので、「この話はここだったな」と思うところにぱっと飛べるので楽ですね。議事録の品質も向上したと思いますし、エビデンスの裏取り、上席が内容をチェックする作業時間も減ったと感じています。
ーー効率化や品質の向上以外で変化はありましたか?
さらに、議事録を取っていると、議論に参加したくてもなかなか参加できないという状況がありました。その点、ACES Meetを導入したことで、「あのとき自分はこういうことを言いたかった」というフラストレーションが減ったのではないかと思います。
ーー議事録を取る工数が減って効率的になっただけでなく、その時間でミーティングに積極的に参加できるようになったのは嬉しいです!
そうですね。ツールの選定にあたっては、業務の平準化と効率化だけでなく、業務品質の向上が実現でき、長期的に利益に寄与できるかどうかも重視していました。そのため、ツールを導入することで、コンサルタントの業務品質が向上し、良い結果をもたらすことを期待しています。
ーー今はコンサルタント以外の方もお使いいただいているのでしょうか?
それはまだですね。ただ、トライアルに参加したメンバーの中には人材開発の担当者もいて、Webでの面接に転用できるのではないかと意欲的でした。
あとはOJTに活用することも検討しています。これまでは、新しくアサインしたメンバーを現場に連れて行き、実地で学んでもらうことが多かったです。いわば現場主義ですね(笑)。
しかし、ヒアリングがどういった段取りで進むか、座学以上の予備知識がない状態で実戦に投入するよりも、ACES Meetで記録を残し、それを事前の情報共有や研修で活用できる点がOJTの上で非常に有効だと感じています。将来的には、こうした使い方も積極的に取り入れていきたいと思っています。
文字起こしと話者分割の精度を求める企業にとって有用なツール
ーー最後に、現在ツールの選定を検討している方々に向けたメッセージをお願いします。
さまざまな議事録作成ソフトが市場に出回っています。そのため、選定する際には何を目的としているのかが重要なポイントになると思います。価格や精度、広範囲に使えるパッケージなどが選定基準となることが多いですが、ACES Meetはアカウントごとの課金モデルであるため、いきなり大人数での利用は、企業によっては適していない場合もあるかと感じています。
ただし、ACES Meetは、利用シーンや利用者がある程度限定されている場合や、特定の職種や領域においては非常に向いていると思います。特に、文字起こしの精度や話者分割の機能の高さが求められる企業にとっては、非常に有用なツールだと考えています。
ーーありがとうございました!
公式HP:日本レコードマネジメント株式会社
- ■お話を伺った方
岡田知子さん - 2007年入社 マネージャ 上級文書情報管理士 神奈川県出身 自治体/商社/情報通信/航空/金融/メーカーなどの文書管理運用・改善プロジェクトのコンサルティングや情報管理運用支援のBPOマネジメントを手掛ける
- ■取材・執筆
讃岐 勇哉 - 出版社、広告代理店、制作会社、事業会社で雑誌や広告、Webメディアの編集や運用、デジタルマーケティングに携わる。2016年、DeNA入社。メディアや広報、ブランディング業務などを担当。その後、Webマーケティングメディア『ferret』で編集長業務、SEO・コンテンツマーケティング責任者として従事。2023年5月よりACESにマーケターとして参画。