1on1ミーティングで使える質問例60選|成功させるポイントや注意点も紹介
更新日:2024年07月16日
公開日:2024年07月16日
1on1ミーティングは人材育成に効果的なため、積極的に導入する企業が増えています。しかし、せっかく導入しても「続かなかった」「効果的な質問ができなかった」という人もいるのではないでしょうか。
この記事では、1on1ミーティングで使える質問を目的別に紹介しています。1on1を成功させるポイントや注意点についても説明していますので、運用の際の参考にしてください。
目次
1on1ミーティングとは?
1on1ミーティングとは、部下の成長や信頼関係の構築を目的に、上司と部下が行う1対1の面談のことです。対話型のコミュニケーションを通じて業務やキャリアの課題を引き出し、フィードバックを行います。
その際には、上司から一方的に指摘や評価するのではなく、部下の本音を引き出す効果的な質問が重要です。目的に沿った的確な質問をすれば、部下の状況や課題を把握し、改善につなげられます。
1on1は部下が主体となるため、自主性や能動性を育み、上司との距離を縮める効果があります。これにより、モチベーションを向上させながら部下の成長を促進でき、上司や会社に対する信頼感やエンゲージメントの向上にも効果的です。
参考:1on1ミーティングとは?目的や進め方、導入のメリット(効果)・デメリットを紹介
目的別・1on1ミーティングで使える質問例60選
1on1ミーティングでは、はじめにプライベートや心身の健康の話をして、部下が話しやすい状態を作ります。その上で、業務や目標、キャリアの話をするのが一般的ですが、毎回すべての内容を話す必要はありません。ここでは目的別に1on1で使える質問を紹介していきます。
プライベートに関する質問
プライベートに関する質問は、業務や評価に関係ないため、気軽に話せる雰囲気づくりや相互理解に効果的です。面談の最初に行う雑談として有効で、信頼関係の構築に役立ちます。
ただし、慣れない人とプライベートの話をするのに抵抗感を持つ人もいるため、話しにくそうであれば話題にしなくてもよいでしょう。
プライベートに関する質問の例
- 休日はどのように過ごしていますか?
- 何か趣味はありますか?
- 好きなスポーツやテレビなどはありますか?
- 好物や嫌いな食べ物はなんですか?
- 最近、仕事以外で楽しかったことはありますか?
- ハマっていることはありますか?
- ボーナスで買いたいものはありますか?
- 最近、買ってよかったものはありますか?
- 何かこだわりを持っていることはありますか?
- 仕事以外で心配なことやつらかったことはありますか?
心身の健康を確認する質問
心身が健康であることは、仕事をするうえで欠かせません。心身の不調が原因で離職する社員も多いため、1on1ミーティングの度に部下の体やメンタルに不調が表れていないか確認しましょう。
本人が無意識にストレスを溜め込むことがないように、面談時には聞き取りと同時に観察するようにします。特に、リモートワーク化では部下の現状を把握しにくくなるため、1on1で確認することが大切です。
心身の健康を確認する質問の例
- 毎日よく眠れていますか?
- 休日はちゃんと休めていますか?
- 体調面で気になることはありますか?
- ストレスを感じていることはありませんか?
- 仕事の悩みを相談できる人はいますか?
- 業務量が多すぎだと感じていませんか?
- 業務時間は不規則になっていませんか?
- 人間関係でなにかトラブルはありませんか?
- 最近、家庭環境で変化はありましたか?
- 職場など周りの人たちとは問題はありませんか?
モチベーション(意欲)に関する質問
1on1ミーティングでは、部下のモチベーションが上がることや下がることを特定するための質問も行います。モチベーションが下がることが聞き出せたら、一緒に解決策を考えます。
モチベーションが上がることがわかれば、日常的に上がる場面を作り出したりポジティブなフィードバックをしたりしてみましょう。部下の仕事や行動を褒めることでもモチベーションアップに活かせます。
モチベーションが下がる原因を特定する質問の例
- 最近、仕事でがっかりしたことはありませんか?
- 仕事で不安に思っていることはないですか?
- 何か困っていることはありませんか?
- どんな時にモチベーションが下がりますか?
- 何か気になっていることがあれば、詳しく聞かせてもらえますか?
モチベーションが上がる原因を特定する質問の例
- 仕事で自信があるのはどんなことですか?
- 仕事で面白いと思ったことは何ですか?
- どんな時にモチベーションが上がりますか?
- 先日の企画は大変良かったと部長が言っていましたよ。
- キャンペーン中の○○さんの行動をみんな褒めていましたよ。
現在の業務内容に関する質問
1on1ミーティングでは、部下が現在業務で感じている不満や要望、課題などを引き出す質問をします。普段の業務では話す機会がないテーマを取り上げ、1on1でしか引き出せない本音を聞き取りましょう。質問にあたっては、部下がネガティブな感情からポジティブな行動に移れるような対話を心がけます。
現在の業務内容に関する質問の例
- 業務でもっとこうした方がいいんじゃないかと思っていることはないですか?
- 仕事で行き詰っていることはないですか?
- 改善してみたけれどうまくいかなかったことはありませんか?
- 何があったらもっと仕事がやりやすくなると思いますか?
- 今のチームの良いところ/悪いところは何だと思いますか?
- この業務は無駄だと思うものはありますか?
- 上司にしてほしいことはありますか?
- 業務のどんなところにやりがいを感じますか?
- 最近チームで気になっている人はいますか?
- もっとチームを良くするために何をしたらいいと思いますか?
目標の進捗を確認する質問
1on1ミーティングでは、部下の目標の進捗を確認し、共有する質問をします。一般的に行われる年に1〜2度の目標設定・評価面談だけでは、フィードバックが不足しがちです。1on1で細かなフィードバックを提供することで、部下の納得性を高め、目標達成の支援が可能です。
進捗確認の目的は、現状を把握し、改善のためのサポートを提供することです。部下には、行動を監視されていると感じさせないよう、余計なプレッシャーを与えない配慮を心がけましょう。
目標の進捗を確認する質問の例
- どのような目標を持っていますか?
- 目標を達成するためにどのようなことに取り組んでいますか?
- 目標の進捗は順調だと感じますか?
- 困っていることはありませんか?
- 目標を達成するための障害はありませんか?
- 自分に点数をつけるとしたら何点ですか?
- 減点の要因は何ですか?
- 次までにどのようなことに取り組みますか?
- 中長期の目標は何ですか?
- 仕事で尊敬している人はいますか?どのようなところを尊敬していますか?
キャリアに関する質問
部下の能力開発やキャリアを支援するような質問をします。会社でどうなりたいのか、そのために身につけたい能力などを一緒に考えます。部下が自分で気づいていないような特性や長所を引き出すような質問を行えると、今後のキャリア形成に役立ちます。
キャリアに関する質問の例
- 得意な業務は何ですか?
- どのような仕事にやりがいを感じますか?
- 強みだと思っていることは何ですか?
- 弱みだと思っていることは何ですか?
- 挑戦したい仕事はありますか?
- 将来的にチャレンジしたい仕事は?
- 特に頑張りたい仕事は何ですか?
- 他部署でやってみたい仕事はありますか?
- 専門職とマネージャーのどちらに興味がありますか?
- 今後のキャリアはどう考えていますか?
1on1ミーティングを成功させるポイント
1on1ミーティングを実施しても、すべてが成功するとは限りません。ここでは1on1を成功させるために押さえておきたいポイントについて紹介します。
話しやすい環境を作る
1on1ミーティングでは、部下が話をしやすいリラックスした環境づくりが大切です。厳粛な雰囲気や形式ばった口調で行うと、部下は緊張し、気軽に話すことができません。脱線しすぎないように雑談などを挟み、緊張をほぐし、話しやすい環境を提供しましょう。
事前に1on1の目的を共有し、評価や指導のための面談ではないことを部下に伝えることも重要です。部下が主体であることを伝え、協力して行う場であることををはっきりさせておきましょう。
部下の話をしっかり聞く
1on1では、上司が話しすぎたり、部下の話している途中で口をはさんだりせず、しっかり聞く姿勢が大切です。それにより部下は安心して言いたいことを最後まで話せ、上司に信頼を寄せやすくなります。
部下にはあらかじめ話す内容を準備してもらい、話が途切れたり、雑談だけに終始しないことも大切です。対話中に聞きたいことが出てきた場合は、部下が話し終わった後に聞くようにしましょう。
質問を考えておく
1on1ミーティングを行う前に、聞き出したい内容に沿った質問を考えておきましょう。前もって必要な質問を準備しておけば、ミーティングがスムーズに進行できます。
1on1が始まってから質問を考えていると、部下の話に集中できず、本当に聞きたいことを逃してしまう可能性があります。雑談だけでミーティングが終わることのないように、部下の成長やモチベーション向上につながる質問をしましょう。
定期的にミーティングを行う
1on1ミーティングは定期的に行うことが重要です。週1回から最低でも月に1回は実施し、部下の現状をタイミングを逃さず聞き出し、フィードバックを提供します。短い頻度で面談を行うことで、密なコミュニケーションが取れ、信頼関係構築に効果的です。
また、こまめなフォローを行えるので、部下は段階的に着実に経験を積み上げることができ、成長が促進されます。
1on1ミーティングを実施する際の注意点
1on1ミーティング運用では、以下の点に注意が必要です。基本的な注意点に気をつけて、1on1を効果的に実施しましょう。
部下にプレッシャーを与えない
対話中に部下の話を否定したり、問い詰めるような態度を取ったりすると、プレッシャーを与えてしまいます。部下は萎縮して心を開けなくなってしまい、信頼関係構築が困難になってしまいます。
本音を聞き出すためには、心の距離を縮めることが重要です。部下に安心感を与え信頼して話してもらうために、プレッシャーを与えないように注意しましょう。
上司が一方的に話さない
1on1ミーティングは部下が主体となって対話によるコミュニケーションを取る場です。通常の面談のように上司が一方的に話してしまわないように注意が必要です。適切な質問をすることで部下の本音を聞き取り、課題の発見や成長につなげることを意識しましょう。
上司は聞き役に徹するようにし、部下が思考を言語化し、自らアクションを考えつく手助けをします。それにより、部下の能動性を促進し、成長の加速が期待できます。
雑談メインにならないようにする
1on1ミーティングでは、気軽な雰囲気づくりのための雑談がメインにならないように注意しましょう。1on1は1回の時間は30分程度と短いため、次にしたい質問をその場で考えているとあっという間に終わってしまいます。
話しやすい雰囲気を作った後には、部下のモチベーションや成長につながる内容の質問にすぐに移るようにしましょう。当日聞き出したい内容の質問を事前に準備しておくことで、有意義なミーティングが行えます。
1on1ミーティングは質問の準備が成功のカギ
1on1ミーティングは、対話を通じて部下が自ら課題を発見し、改善策を考えるために有効な手法です。部下が気づいていない問題点や能力を引き出すためには、適切な質問が重要になります。上司は聞き役に徹するために、傾聴やコーチングスキルを磨くことも必要です。
この記事で紹介した質問例を参考に、状況や目的にそった質問を準備し、効果的に1on1ミーティングを実施しましょう。
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