音声生成AIツール10選|オススメツールやできること、使用上の注意点を解説
更新日:2024年03月11日
公開日:2024年01月24日
音声生成AIについて耳にする機会は増えたものの、実際にどのようなものなのか知らない方は多いでしょう。音声生成AIとは、人間がテキストを入力すると人の声により文章を読み上げてくれるシステムです。音声生成AIでできることを知り、プライベートや仕事で音声読み上げを活用してみてはいかがでしょうか。
この記事では、音声生成AIができることや選び方、オススメのツール10選について解説します。
目次
音声生成AIとは?
音声生成AIは、音声データの特徴を学習し、新たな音声データを生成できるAIです。音声生成AIにある人の声を大量に入力し学習させると、その声色を用いた文章の読み上げを行えます。
ただ文章の内容を読み上げだけでなく、感情に合わせた表現も可能です。一度音声を学習すればさまざまなシーンで利用できるため、解説動画でのナレーションやコールセンターの自動応答、多言語での通訳などで活用されています。
音声生成AIで何ができる?
音声生成AIを使うと、具体的にどのようなことができるか気になるところです。テキストの読み上げだけでなく、音声の模倣ができる点を理解しましょう。
テキスト(音声)の読み上げ
音声生成AIは、テキストを入力するだけで音声による原稿の読み上げが可能です。テキストの読み上げ機能により、以下のようなコンテンツ作成ができるようになります。
- ナビゲーションシステム
- 学習教材
- 新人のトレーニング教材作成
- 視覚障がい者へのガイド
原稿さえあればテキストの読み上げが可能なので、ナレーターや録音環境をわざわざ用意する必要はありません。上記のようなコンテンツ作成が必要になっても、制作者は自宅にいながら手軽に音声データを作れます。
音声合成
音声合成とは、コンピューターにより特定の人間の声を模倣できる技術のことです。声優やナレーターなど、特定の人物の声をコンピューターに学習させると、その声で自由に読み上げを行えます。
音声合成の技術は以前からありましたが、自然な人間の声を再現するのは難しく、どうしても機械的な音声になりがちでした。しかし、近頃はディープラーニングを用いたAIにより、人間らしい自然な音声を作れるように進化しています。
音声読み上げや音声合成と「音声認識」の違いは?
音声認識は、音声合成や音声読み上げなどとしばしば混同される技術です。以下に、3つの技術の違いと実際に社会で活用されている例を列挙しました。
- 音声読み上げ:テキストを音声で出力する技術
活用例:外国語のリスニング練習 - 音声合成:特定の人間の声を模倣する技術
活用例:車内・機内アナウンス - 音声認識:音声データをテキストに変換する技術
活用例:議事録自動作成(会議内容の文字起こし)
音声合成や音声読み上げはテキストから音声への出力に用いられるのに対し、音声認識は音声からテキストに変換する技術です。会議の話し合い内容の文字起こしや、多言語通訳に用いられています。
オススメの音声生成AIツール10選
音声生成AIについて知り、実際にツールを使ってみたくなった人も多いでしょう。ここでは、オススメの音声生成AIツール10選を紹介するので、機能や料金の参考にしてください。
サービス名 | 料金 | 公式サイト |
---|---|---|
Text-to-Speech AI(Google) | 要問い合せ | https://cloud.google.com/text-to-speech?hl=ja |
ReadSpeaker | 要問い合せ | https://readspeaker.jp/ |
VOICEVOX | 無料 | https://voicevox.hiroshiba.jp/ |
AITalk | 要問い合せ | https://www.ai-j.jp/ |
VOICEPEAK | 23,800円~(買い切り) | https://www.ah-soft.com/voice/6nare/ |
コエステーション | 55,000円~(月々) | https://coestation.jp/ |
CoeFont STUDIO | 無料 ※有料プランあり | https://coefont.cloud/ |
Murf.ai | 無料 ※有料プランあり | https://murf.ai/ |
Speechify | 無料 ※有料プランあり | https://speechify.com/ja/ |
Lovo.ai | 無料 ※有料プランあり | https://lovo.ai/ |
Text-to-Speech AI
Text-to-Speech AIはこんなツール!
- 料金:要問合せ
- 特徴:自然なイントネーションでの出力が可能
- オススメユーザー:高性能な音声生成AIを使用したい人
Text-to-Speech AIは、Googleが提供する高性能音声生成AIツールです。テキストのリアルタイム音声変換や、自然なイントネーションでの出力、多言語生成などさまざまな機能が備わっています。オリジナル音声の生成もできるため、ほかの企業とは異なる独自の音声を作りサービスに役立てることも可能です。
ReadSpeaker
ReadSpeakerはこんなツール!
- 料金:要問合せ
- 特徴:より人間に近い音声合成が可能
- オススメユーザー:ゲームやオーディオブックを作成したい人
ReadSpeakerは、より自然な音声を出力できる高性能音声生成AIツールです。ただ音声を出力するだけでなく、喜怒哀楽の感情を乗せた人間らしい声によるデータ作成ができます。アフターサービスも充実しているため、音声合成ツールの使用経験がない人でも心配ありません。公式サイトにて、デモ音声の作成や音声サンプルの視聴が可能なので、一度チェックしてみましょう。
VOICEVOX
VOICEVOXはこんなツール!
- 料金:無料
- 特徴:フリーツールにもかかわらず商用利用可能
- オススメユーザー:音声生成AIを初めて使う人、解説動画を作りたい人
VOICEVOXは、無料でテキストの読み上げができる音声生成AIツールです。文章を入力し、テキストを読み上げてくれるキャラクターを選ぶだけで手軽に音声生成ができます。イントネーションやアクセントの変更もできるため、自身でより自然な音声データの作成が可能です。音声生成AIを初めて使う人や、YouTube用の解説動画を作りたい人に向いています。
AITalk
AITalkはこんなツール!
- 料金:要問合せ
- 特徴:日本語のより自然な音声出力が可能
- オススメユーザー:ゲーム制作者、福祉分野で活用したい人
AITalkは、人間らしい声色や流暢な日本語出力を追求した音声生成AIツールです。日本語解析技術が搭載されており、アクセントの自動付与により流暢な読み上げが可能となります。日本語話者は老若男女に幅広く対応できるうえ、関西弁での出力も可能です。自分の声を用いたオリジナル音声の生成も可能で、さまざまな用途での使用が期待できます。
VOICEPEAK
VOICEPEAKはこんなツール!
- 料金:23,800円~(買い切り)無料体験版あり
- 特徴:アクセントや読み上げのタイミングなど、細かいカスタマイズが可能
- オススメユーザー:館内アナウンスや商品説明など幅広い用途で使いたい人
VOICEPEAKは、カスタマイズ性の高い入力文字読み上げソフトです。アクセントやイントネーション、読み上げのタイミングなど、好みに合わせて細かい編集ができます。ナレーターは男女6名に加えて幼い女の子の7パターンから、自由に選択が可能です。ナレーターがすでに用意されているため、原稿があればすぐに音声生成ができます。
コエステーション
コエステーションはこんなツール!
- 料金:55,000円~(月々)
- 特徴:ナレーター音声のカスタマイズ性が高い
- オススメユーザー:利用シーンに合った声色を生成したい人
コエステーションは、ナレーター音声のカスタマイズ性が高い音声生成AIツールです。災害アナウンスなら強めに、応援メッセージなら明るく、というように利用シーンに合わせて豊かな音声表現ができます。なお、ナレーターにはアナウンサーや声優などの有名人や、一般ユーザーの声などを幅広く利用できるのも特徴の一つです。
CoeFont STUDIO
CoeFont STUDIOはこんなツール!
- 料金:無料※有料プランあり
- 特徴:リアルタイム音声変換、ボイスチェンジャー機能搭載
- オススメユーザー:より自然な音声変換を実現したい
CoeFont STUDIOは、リアルタイム音声変換やボイスチェンジャー機能が搭載された音声生成AIツールです。自然な人間の声の再現を特徴としており、西村博之氏の声を使用したツール「おしゃべりひろゆきメーカー」のサービス元でもあります。ボイスチェンジャーを使うと、自分の声をほかの人のリアルな音声に変換することが可能です。
Murf.ai
Murf.aiはこんなツール!
- 料金:無料※有料プランあり
- 特徴:リアルタイム音声変換が可能、外国語にも対応
- オススメユーザー:音声生成だけでなくビデオ作成も行いたい人
Murf.aiは、テキストから音声への変換が数秒で完了する音声生成AIツールです。多言語での変換が可能なため、外国語対応の音声を作りたい場合でも手軽に生成できます。操作画面が使いやすく、初めての人でも直感的に音声生成が可能です。Murf.aiではビデオも作成できるため、映像作成も同時に行いたい人に向いています。
Speechify
Speechifyはこんなツール!
- 料金:無料※有料プランあり
- 特徴:記事やPDFなどさまざまな文字情報の読み上げが可能
- オススメユーザー:日常に音声生成AIを取り入れたい人
Speechifyは、無料で使用できるアプリ版音声読み上げツールです。音声生成AIには珍しいアプリ版で、スマホやタブレットから簡単にアクセスできます。テキストや記事だけでなく、PDFや画像など、さまざまな文字情報の読み上げが可能です。散歩中のニュース聴取や勉強の効率化など、日常生活の多くのシーンでの使用が実現できます。
Lovo.ai
Lovo.aiはこんなツール!
- 料金:無料(※有料プランあり)
- 特徴:外国語変換、音声クローン作成可能
- オススメユーザー:より人間らしい話し方にこだわりたい人
Lovo.aiは、テキストから音声への高品質な変換が可能な音声生成AIツールです。音声生成には多言語変換が可能なため、外国語を扱う仕事でも安心して利用できます。Lovo.aiの音声クローン技術は正確性にとどまらず、元音声のアクセントやニュアンスを保ったままの利用が可能です。音声クローン技術を使いたいが、より人間らしい話し方にこだわりたい人に向いています。
音声生成AIツールの選び方
音声生成AIツールを選ぶ際、ツールによって機能が異なるためあらかじめ確認する必要があります。自身が作りたい音声データや用途に合わせて、適切なツールを選びましょう。
商用利用の可否を確認する
音声生成AIにより生成したものを商品として売りたい場合、商用利用できるかどうかの確認が必要です。ツールによっては商用利用が認められていないものや、権利の購入が必要な場合があります。また、中にはプランや音声キャラクターによってルールが異なる場合も少なくありません。違反すると権利問題に発展する可能性があるため、商用利用の場合は使用前に規約をよく確認しておきましょう。
音声の調整範囲を確認する
出力される音声の調節可能範囲はツールによって異なるため、あらかじめチェックしましょう。音声生成AIツールにより調節が可能な場合が多い項目は、以下のとおりです。
- イントネーション
- アクセント
- 音声スピード
- 感情表現
- 音質
ツールによっては調整自体ができないものや、上記の一部のみカスタムが可能なソフトもあります。各社の公式サイトからデモ音声をチェックしたり、無料版で調整範囲を確かめるのがオススメです。
対応言語を確認する
ツールによって対応できる言語が異なるため、購入前にあらかじめチェックが必要です。音声生成AIツールの中には、日本語音声を外国語に変換して出力できるものもあります。しかし、ツールによっては「英語と中国語のみ」「6か国語のみ」など、対応できる外国語が限られるものも少なくありません。旅行案内ビデオやアナウンスなど外国語の音声を作りたい場合は、希望の言語に対応しているかを確かめましょう。
ファイルの保存形式を確認する
ツールによっては生成した音声ファイルの保存形式が異なるため、用途に合わせてソフトを選びましょう。音声ファイルの代表的な保存形式には、以下のようなものがあります。
- MP4:YouTubeで使用が推奨されている
- MKV:音声と一緒に字幕データを格納できる
- WebM:ファイルサイズが比較的小さい
特に、特定のサイトへ音声ファイルをアップする場合、保存形式が定められている場合があるのでソフト選定時にチェックが必要です。
音声生成AIツールを使用し手軽に音声データを作ろう
音声生成AIツールを使うと、簡単な操作だけで誰でも手軽に音声データを作れます。お試し利用できるツールも豊富なため、まずは無料でチャレンジすることも可能です。音声によるコンテンツを作りたい人や、興味のある人はぜひ手にとってみましょう。
商談やミーティングの効率化にはAIツールがオススメ
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