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メンターとは?メンター制度の導入による効果からメンターに適した人材まで解説

更新日:2024年05月15日

公開日:2024年05月15日

メンター制度は、人材育成に取り組む企業が広く導入するようになった、新人や若手社員の育成手法の一つです。しかし、いざ自分がメンターに任命されると、OJTやコーチングとの違いがわからず、指導に悩む人もいるのではないでしょうか。

この記事では、メンター制度の概要やOJT・コーチングとの違い、メンターの役割などについて解説しています。必要とされるスキルについても紹介していますので、メンターとしての指導に役立てて、活躍の場を広げましょう。

メンターとは?

メンターとは、新入社員や経験の浅い社員に対し、キャリアや人間関係などの精神面・心理面で指導や助言など支援を行う存在です。メンターは通常、特定の知識や豊富な経験を持つ配属先ではない部署の先輩社員の中から選ばれます。

メンターは保有する知識や経験をメンティー(指導を受ける人)と共有することで、成長を促進するのが役割です。メンターとメンティーは「メンタリング」と呼ばれる1対1の対話を通してしばしば個人的な関係を築きます。

数年以上の長期に渡ってキャリアや人生のアドバイスを提供し、企業人としての新入社員の成長を支援していきます。

メンター制度とは?

メンター制度は組織や企業が導入する、若手社員を支援し成長を促進する取り組みのことです。メンティーとの間で知識や経験を共有し、人材育成にかける時間を短縮したり、職場に馴染むためのフォローを行います。入社後、早期からメンタル面で支援することで、離職を防止する効果が見込めます。

メンター制度では組織内の共通言語や共通認識を理解し、メンターが持つノウハウや考えと合わせて伝承するのが特徴です。組織は定期的なメンタリングセッションを提供し、新入社員や若手社員の育成やキャリアサポートを実施します。

メンター制度によって、メンターとなる社員のリーダーシップ能力が高まるなどの成長も見込めます。その他、メンターのコミュニケーション能力やマネジメント能力の向上にも役立つでしょう。

OJTとの違い

OJTは、新入社員や未経験の社員に対し、実務を通して業務に必要な知識やスキルを習得させるトレーニングプロセスです。配属先の上司や先輩が指導者となって、具体的な業務やタスクに焦点を当てて、実務的知識やノウハウを効率的に教育します。

一方、メンタリングは仕事やキャリアなどについて個別の指導やアドバイスを行うことに重点を置いています。業務上の接点が少なく、年齢の近い先輩社員がメンターとなることで、人間関係や心理面などでも相談しやすいのが特徴です。

メンター制度は、キャリアのサポートやビジネスパーソンとしての成長に焦点を当てている点がOJTとの大きな違いです。

参考:OJT(On-the-Job Training)とは?企業と社員のメリット、デメリットを解説

コーチングとの違い

コーチングは、特定の目標や成果に向けて個人の能力やパフォーマンスを向上させるプロセスです。特定の目標を達成するまでの比較的短い期間に実施されます。専門分野のみのパフォーマンス向上に対し質問や洞察の機会を与え、本人の気づきによって問題解決につなげるのが特徴です。

コーチングはメンタリングと同様に個別指導を提供しますが、目標達成に向けた技術やスキル習得など実務に関することが焦点になります。一方、メンタリングはキャリアや人間関係、プライベートなども対象です。メンティーの総合的な成長を支援することに重点を置いている点がコーチングとの違いといえます。

メンター制度を取り入れることによって得られる効果

メンター制度を取り入れると、社員の早期育成や離職率の低下などさまざまな効果が得られます。主な効果は以下の4点です。

新入社員や若手社員の早期の育成

メンター制度では、メンターとなる経験豊富な社員が、新入社員や若手社員に知識や経験を共有する機会を提供します。これにより新入社員らは短期間でさまざまなノウハウや事例を知ることができ、成長が促進されます。

新入社員は仕事上の疑問や不安、人間関係の悩みなどを抱え込みがちです。そのようなときに配属先が異なるメンターであれば、利害関係を気にすることなく質問・相談できるのもメリットです。メンターが存在することで職場に早く馴染むことができ、業務上の不安を解決することができます。

結果として、メンティーは業務をスムーズにこなせるようになり早期に成果をあげることが期待できます。メンター制度は、組織内の人材育成に大変効果的といえるでしょう。

リーダーシップの発展

メンター制度は社員のリーダーシップの発展を促進します。メンティーは経験豊富なメンターの行動や考え方、仕事の取り組み方などを間近に見て覚えることができます。そのため一般的な研修やOJTだけでは育ちにくい、ビジネスパーソンとしてのさまざまな能力を高めることが可能です。

指導を通してメンティーのリーダーシップスキルやマネジメント能力の向上が期待できます。また、メンターは優秀な社員が選ばれることが多く、効率的な仕事のやり方やタイムマネジメントの方法を身につけています。メンター制度では、そのようなトータルなスキルの伝授ができるのがメリットです。

組織文化の強化

メンター制度は、組織文化を強化するためにも効果的です。メンター制度では、メンター就任時に研修などを通し、組織文化や組織の共通認識の共有、指導すべき内容について学びます。メンター研修は指導内容を統一し、教育レベルを平準化するために欠かせない取り組みです。

メンターとメンティーの間で信頼関係が築かれ、情報や経験の共有が行われることで、組織に関する認識も伝承されます。メンター制度は長期にわたることが多く、メンティーの成長の段階の折に触れ教育できるのが良い点です。それにより組織文化の受け入れや理解が深められます。

結果として、組織全体のコラボレーションやチームワークが促進されるのもメンター制度のメリットの一つです。

離職率の低下

メンター制度は新入社員の離職率低下にも効果的です。新入社員の早期離職は企業にとって大きな損失であり、離職防止のための施策が重要視されています。

メンター制度を実施すれば、新人が仕事のトラブルや精神面で行き詰ったときに、すぐに支援の手を差し伸べることができます。相談したり解決策を得られたりすると、メンティーはモチベーションを維持して働き続けることが可能です。

また、メンターから指導や支援を受けることで組織に対する継続的な関心や忠誠心も高められます。それらによりエンゲージメントが向上し、企業に定着する効果が期待できます。

メンターに求められる役割

メンターは自分にどのような役割が求められているのかしっかり理解することが重要です。メンターに求められる役割には以下のようなものがあげられます。

指導とアドバイス

メンターは豊富な経験や知識、洞察力を持ち、メンティーに対し指導やアドバイスを提供するのが役割です。新入社員や若手社員のぶつかる業務上の問題や課題、キャリアに関する疑問などに対処し、解決策を共有します。

メンティーの持つ個性や考え方、能力はさまざまですので、相手をよく観察し、必要な支援を提供することが重要です。指導やアドバイスを受け入れてもらうためにはまずコミュニケーションをとって信頼関係を築くことが必要になります。

メンティーから相談してもらいやすい環境を整え、問題に対しより良い解決策をともに考えていくように心がけましょう。

モチベーションの維持

メンティーのモチベーションを高めるための励ましやサポートを行うのもメンターの役割です。困難や挑戦すべき場面に直面したメンティーに対し、励ましたり自信を持たせたりして支援します。信頼する先輩からの温かいサポートによって、メンティーはポジティブな気持ちで臨むことができるようになるでしょう。

モチベーションが下がると、業務に対する意欲や職場の人たちとのコミュニケーションも低下します。タイミングを逃さず親身になって支援することで、メンティーは自信を取り戻しモチベーションを維持できるようになります。

このような取り組みを続けることで、メンティーはやがて自分のモチベーションをコントロールするすべを身につけます。成長し自律した社員に育成することがメンター制度の目的の一つです。

フィードバックの提供

メンターにはメンティーのパフォーマンスや行動に対し適切なフィードバックを提供する役割もあります。業務での成果や成長具合を認め、できていないことに関しては改善のためのアドバイスや指示を行いましょう。

フィードバックによりメンティーも自身の成長度合いや乗り越えるべき壁に気づき、さらなる成長に向けて進むことができます。フィードバックはメンティーの成長を促進するためのものなので、アドバイスを行う際はネガティブにならない配慮が必要です。

メンターのフィードバックにはキャリアデザインに対する方向性なども含まれます。メンティーが迷っている際に、正しい方向性を示すことが求められます。

ロールモデルとしての役割

メンターはメンティーにとってのロールモデルとなります。自身の経験や価値観を示し、良い行動や倫理的な態度を取ることの重要性を伝えます。ここではメンティーときちんと信頼関係を築いていることや、尊敬に値する実績や行動・態度を身につけていることが必要です。これによりメンティーにとって良い影響を与えることが可能になります。

メンター制度においては、企業の望む人材がどのようなものかを示すことも重要です。組織の一員としての意識や行動なども含めて指導することで、会社にとってなくてはならない存在に成長できるからです。それにより組織全体のパフォーマンスや生産性の向上にも貢献できます。

メンターに適した人材とはどのような人物?

ここからはメンターに適した人材について解説します。メンターとして適切な指導やアドバイスをするためには以下のような能力を持っていることが必要です。

豊富な経験を有している

メンターには豊富な経験や知識を持っていることが求められます。メンティーの疑問や課題、不安に対応するためには、業務や職域、キャリアプランなどに関する幅広い知識と経験が必要だからです。

業界や職種において実績を積んだ人物や、特定の専門知識を持つ人がメンターとして適しています。そのような人であればメンティーの問題や課題を理解し、最上の解決策を考えることができるでしょう。また、メンターには保有する経験や知識を上手に伝達する能力も欠かせません。

高いコミュニケーション能力を有している

メンターには優れたコミュニケーション能力が必要です。メンティーとの対話や情報共有を通じて、信頼関係を構築し、効果的な指導やアドバイスを提供することが求められます。そのためには相手の話もよく聞き、心を開いてもらうような態度が欠かせません。

また、メンティーを観察したり、話しやすい雰囲気を作ったり、話題を引き出す能力も大切です。そのようにしてコミュニケーションがうまくいくことで、信頼関係は深まります。信頼関係ができていれば、メンティーは素直にメンターの言葉を聞き、指示に沿って課題に向かっていけます。その結果、育成効果もグンとアップするでしょう。

寛大さと理解がある

メンターは寛大さを持ち、メンティーの考えや行動に理解を示すことが必要です。指導やアドバイスを行う際も、メンティーの立場やニーズを尊重する姿勢を持つようにします。メンティーが失敗や課題に直面したときには、共感の姿勢で接しつつ、サポートやアドバイスを提供しましょう。

メンターが自分を受け入れ、理解してくれていると実感できると、メンティーは課題に対し前向きに取り組めるようになります。メンターの態度を手本に自らも寛大さや理解を示す重要性に気づき、周囲とより良い関係を築いていくことも期待できます。

信頼性と誠実さがある

メンターはメンティーにとって信頼できる存在であることが求められます。常に誠実さや平等な対応、オープンで話しやすい雰囲気を心がけましょう。仕事面でもオープンに情報を共有できる環境を提供することが大切です。

そのようなメンターの姿を見て、メンティーは人間的にも成長できます。メンティーの総合的な支援をするためには、メンターの持つ優れた人間性が必要です。メンターとしてだけではなく、普段から誠実であることを心がけ、周囲から信頼されるように行動しましょう。

メンター制度では指導者の成長も目的の一つです。メンターに任命されたことで主体的に必要なスキルを身につけ成長していける人は、メンターに適しています。

メンター制度を活用し効果的に人材育成を行おう

メンター制度を取り入れることで、新入社員の早期戦力化や離職率の低下などに効果があります。メンターを任命する際には、求められる役割を理解し、必要な能力を持つ人を選ぶことが重要です。

メンターには豊富な経験や知識、コミュニケーション能力やロールモデルになりうる人間力が求められます。メンター制度では組織力の強化やメンターも成長していくことが期待できます。さまざまなメリットのあるメンター制度を利用して、効果的に人材育成をしていきましょう。

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執筆者

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