カスタマーサクセス(CS)におけるオススメのSaaS向けオンボーディングツール5選
更新日:2024年04月17日
公開日:2024年03月24日
SaaSサービスを展開している企業では、カスタマーサクセス(CS)にオンボーディングを実施するケースが増えています。オンボーディングで利用できるツールも多数提供されていますが、どのツールを選択したらよいのかわからず導入を迷っているケースもあるかもしれません。
この記事では、カスタマーサクセスでオンボーディングツールを導入する重要性やツールでできること、メリットなどを解説します。オススメのオンボーディングツールも紹介していますので、記事を参考にオンボーディングツールを導入し、カスタマーサクセス成功に役立ててください。
目次
SaaS向けのオンボーディングツールとは?
オンボーディングツールとは、自社のSaaSを利用しているユーザーに使用方法などを適切に伝え、利用促進効果を高めることができるツールです。オンボーディングは、サービスを導入し始めたユーザーが早期に使いこなし、運用によって成果を出すことで継続につなげていく取組みを指します。
ツールを使うことで、オンボーディング担当者は時間や手間をかけずにユーザーにわかりやすく手順を示したり、Webサイト内でのFAQを充実させることができます。ユーザーが自ら疑問点や使いづらさを解消し、活用してくれることで、容易に定着につなげることが可能です。
カスタマーサクセスにおけるSaaS向けオンボーディングツールの重要性
オンボーディングツールは、カスタマーサクセスのフェーズにおいて導入期から運用期へのスムーズな移行をサポートしてくれます。自社サービスに新規に加入したユーザーが製品を使いこなせるように手助けするだけでなく、つまずきポイントや行動履歴の分析なども行えます。
それによりユーザーに合わせた対応や、ターゲットを絞ったアクションが可能です。オンボーディングツール導入によって担当者の工数を削減するとともに、顧客の満足度も向上させることができます。結果的に、利用継続につながり、チャーンレートの低減や高い継続率の実現が期待できるようになります。
SaaS向けのオンボーディングツールの主な機能
オンボーディングツールには、ユーザーのための使い方ガイドや行動分析、次のステップへの誘導など、さまざまな機能が搭載されています。ここでは主な機能を4つ紹介します。
ユーザーの行動分析
オンボーディングツールを使うとユーザーがサービス内でどのような行動をとっているかを追跡したり、理解することが可能になります。ログインの頻度やチュートリアル・FAQの使用率、機能の活用状況などユーザーのアクションを可視化し分析してくれるからです。
これによってどの機能が最も使用されているか、どのステップでユーザーが離脱しているかなど、ユーザーの行動パターンを把握することが可能です。非効率な操作なども把握できるため、重点的にサポートして、離脱を未然に防止することもできるようになります。
ユーザーガイドの作成・設置
ユーザーガイドとは、新規ユーザーや初心者がサービスを効果的に活用するための指示や情報を提供するためのものです。オンボーディングプロセス中にユーザーガイドを提示することで、ユーザーはサービスの機能や操作方法を理解しやすくなるメリットがあります。
ユーザーガイドの作成にツールを使うと、Webサイト上にサービスの操作方法を記したチュートリアルやFAQページをノーコードで簡単に設置できるようになります。それにより担当者の業務削減や、エンジニアへの依頼省略ができ、カスタマーサクセス業務の効率化が可能です。
ツールによってはユーザーの属性を見極めて個別のガイドを表示できる機能もありますので、自社のサービスに合わせて適切なツールを選びましょう。
ユーザーに対する適切な誘導
オンボーディングツールには、ユーザーがサービス内で次のステップや適切なアクションを取るように促す機能もついています。たとえば、使用当初にありがちな誤入力や認識間違いを防止したり、適切なFAQページへ誘導することが可能です。
サービス利用初期に使用方法でつまずくと、ユーザーはサービスを使いづらくなり、使用頻度も減り、離脱の原因になってしまいます。適切に誘導することで、ユーザーはよりスムーズにサービスを活用し、その価値を早期に享受することができるため、継続利用が期待できます。
適切なタイミングでの解約・アップセルの通知
オンボーディングツールには、ユーザーの活用状況によって解約やアップセルの通知を行う機能もあります。サービスに満足した顧客がそこで停滞・離脱することを防ぐためには、必要なタイミングで上位の自社サービスを紹介することが重要です。
サービスを十分に使いこなせるようになると、物足りなくなったり、新たなニーズが出てきます。そのようなタイミングを逃さず解約・アップセルの通知を行えば、ユーザーがサービスに関心を持ち続けたり、必要に応じてアップグレードすることができるようになります。
ユーザーの目的を達成させるために次にどのようなサービスが利用できるか伝えることで、継続率やLTVの向上がはかれますし、顧客ロイヤリティを高めることも可能です。
カスタマーサクセスにおけるSaaS向けオンボーディングツールを導入するメリット
オンボーディングツールを導入することにより、顧客満足度向上や、業務効率の改善ができるなどのメリットがあります。カスタマーサクセスの成功に役立ちますので、積極的に利用を検討してみましょう。
顧客満足度向上
オンボーディングツールを使用することで、顧客は製品やサービスを迅速かつ効果的に理解し、活用することができるようになります。顧客がなかなかサービスを使いこなせず、導入期から運用期への移行に時間がかかると不満が出て、放置される可能性が考えられます。
その点、ツールを用いたユーザーガイドや適切な誘導を行うことで、顧客は自分のニーズに合った機能をすばやく見つけることができ、より良い体験を得ることが可能です。結果的にユーザーは早期に成果を上げることができるようになり、顧客満足度が向上します。
業務効率の改善
SaaSを提供する企業側では、オンボーディングツールを導入することで顧客サポートやトレーニングにかかる時間とリソースを削減することができます。ユーザーガイドや適切な誘導を通じて顧客は自己学習で製品やサービスを活用できるようになるからです。
その結果、それまでWebサイトの設定やトレーニングにかかっていた時間を、高タッチの顧客に割り当てることができます。タッチごとのリソースを有効的に配分することが可能になり、効率的に売上を向上させることができるようになるでしょう。
UI/UXの改善
オンボーディングツールによる適切な誘導やユーザーガイドの作成により、新規ユーザーは製品やサービスの使い方を直感的に理解することができるようになります。ツールではユーザーの利用頻度や利用機能、ガイドの使用回数などからユーザーの行動を可視化できます。
可視化したデータを元に操作しづらい部分やミスが起きやすい点を把握しやすくなり、UI/UXの改善点を特定することが可能です。UI/UXを改善するための施策を迅速に行えば、ユーザー体験をさらに最適化することにつながります。
SaaS向けのオンボーディングツールの選び方
オンボーディングツールにはさまざまなタイプがあり、自社の目的やゴールに合ったツールを選ぶことが重要です。ここではオンボーディングツールを上手に選定するためのコツを紹介します。
開発要件の対応範囲や実装の難易度
オンボーディングツールを選ぶ際は、自社の開発要件に対応できる範囲やカスタマイズ可能性を確認することが重要です。カスタマーサクセスの目的や重視するKPIなどをふまえ、特定の機能やワークフローに必要な機能が提供されているかどうかを確認しましょう。その際には今後の将来性や拡張性なども検討します。
また、ツールを実装する難易度も考慮する必要があります。ノーコードですべて実装できればエンジニアに開発を委託する手間やコストが削減可能です。ノーコードでできる範囲や、コーディングが必要な場合は作業工数や難易度をチェックしましょう。
分析機能の精度
ツールによるユーザーの行動分析は、オンボーディングプロセスの改善や効果測定に不可欠な要素です。選択したツールが自社の把握したい情報やKPIを得られる機能があるか、分析の精度の高さも確認しましょう。
ツールによってはユーザーのボタン操作回数や特定の作業を計測したり、操作につまずくポイントを示す機能などが搭載されたツールもあります。計測結果や情報に対し、正確かつ詳細な分析を提供する能力を持っているかどうかが重要です。その結果を元に次に起こすアクションの設定が可能になります。
サポート体制の充実度
オンボーディングツールを導入する際は、適切なトレーニングやサポートが必要です。ツールごとに提供するトレーニングやサポートは異なるため、どの範囲まで対応してもらえるのか確認が必要です。ツールの導入事例に自社のビジネスモデルと同じようなケースが多いかどうかも参考にしてみるとよいでしょう。
ツールによってはオンボーディングを支援するプログラムを提供している場合があります。
企業の課題や改善点を元に、自社に合った体制を提案しサポートしてくれますので、構築支援やコンサルティングを考える企業にはオススメです。
カスタマーサクセスにおけるオススメのSaaS向けオンボーディングツール5選
オンボーディングツールを選ぶ際は、導入目的やゴールに合ったものを選びましょう。ここではオススメのツールを5つ紹介しますので、ツールごとの強みや特徴などを参考に自社に合ったものを選定してください。
openpage
openpageはカスタマーサクセスのためのDXソリューションで、業務の効率化に貢献してくれるツールです。ユーザーとのコミュニケーションを自動化・デジタル化できるため、業務工数の削減が可能になります。
openpageで使える機能には、AIによる業務の自動化や、ユーザーの利用状況の可視化、アンケート作成・配布機能などがあります。案件の進捗データや興味関心データ、VoCデータなどを取得できるため、オンボーディング時だけでなくカスタマーサクセス部門全体で活用可能です。営業機会の最大化も目指すことができるでしょう。
Fullstar
Fullstarは、SaaS向けのノーコードでチュートリアルが作成できるツールです。組織や部署に合わせたチュートリアルを、シンプルなUI/UXで作成・編集できます。
コミュニケーション管理機能では、プルダウンから条件を選択するだけでユーザーの活用状況を一覧で表示してくれます。解約の兆候やアップセル候補がわかりやすく、次のアクションに容易につなげられるため、少ないリソースでLTVの最大化が可能です。
無料で始められるので、オンボーディングツールを試してみたいという企業にもオススメです。
pottos
pottosは業務の効率化に貢献してくれるツールです。カスタマーサクセス業務におけるタスク管理や進捗状況を共有できる機能があり、業務の円滑化や対応漏れの防止に効果的です。
ユーザー分析機能も充実しており、リアルタイムで利用状況が可視化できたり、独自の分析結果を元にユーザーに合わせたアクションを起こしやすくしてくれます。スタッフによるサポート体制も手厚くなっており、初期設定から運用までしっかり伴走してくれるため、初めてオンボーディングツールを導入する企業でも安心して利用できます。
Zendesk Guide
Zendesk Guideは、製品の説明や導入ガイド、FAQなどを作成するテンプレートが多数用意されているため、初心者でも簡単に作成・設置できるのがポイントです。業界やサービスごとに最適なテンプレートを選ぶだけで済むため、担当者の負担を軽減してくれます。
ユーザー分析では今後のサービスに役立つ観点でアクセスや自己解決に至ったかなどを主に分析可能です。サービスの導入期から運用期へスムーズに移行しやすくなるでしょう。また、作成した記事は40ヵ国語以上の言語に自動翻訳してくれるため、海外のユーザーが多い企業にもオススメです。
Techtouch
Techtouchはサービスの活用促進に貢献してくれるオンボーディングツールです。ノーコードで構築できるため、エンジニアに依頼せずにユーザーガイドなどが作成できます。
ユーザーが迷うことなく操作できるように、操作中に案内が表示される「デジタルガイド」機能を搭載しているのが特徴です。ガイドの内容は生成AIとの連携により自動で編集できるため、個別対応の必要がなく担当者の負担が軽減されます。
また、ユーザーの活用状況からつまずきポイントや特定のアクションを計測して分析する機能も搭載しています。ユーザーのアンケートもリアルタイムで集計できるため、迅速なアプローチやサービスの改善が可能です。
SaaS向けオンボーディングツールはカスタマーサクセス成功に効果的
SaaSサービスを行う企業にとって、カスタマーサクセスにおけるオンボーディングは大変重要です。オンボーディングツールを利用することで、業務を効率的に行え、顧客の満足度や継続率、LTVの向上に役立ちます。
オンボーディングツールを選ぶ際は、どのような目的で利用するのかを明確にし、適切なツールを選定することが肝心です。自社のビジネスモデルと似たような導入事例があるかなどを参考にして、最適なオンボーディングツールを選び、カスタマーサクセスを成功に導きましょう。