営業目標の立て方は?目的やフレームワークを活用した設定方法、5つのポイントを解説
更新日:2024年08月21日
公開日:2024年08月21日
営業活動を強化し売上向上につなげるためには、適切な目標を立てることが大切です。しかし、具体的にどのように営業目標を立てればよいのか、立て方を知りたいという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、営業目標の目的やフレームワークを活用した設定方法、適切な目標を立てるためのポイントについて解説しています。営業目標の立て方で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次
営業目標とは?
営業目標とは、期間ごとに到達すべき売上金額や成約数などを具体的な数値で表したもののことです。企業全体の目標だけでは、個々の営業メンバーはいつまでにどの程度の成果をあげればよいかがわかりません。そこで、営業チームや営業メンバーが目指すべき成果を数値で表したものが営業目標です。
営業目標は、最終的な目標から逆算して一定期間で到達すべきゴールを明確に示すため、営業活動の方向性が定まります。明確な営業目標の設定は、営業活動の効率化や生産性向上のために重要です。
営業目標を立てる目的
営業目標を立てる目的には、主に以下の3つがあげられます。
役割や責任を明確にするため
企業では、複数の部門やメンバーが目標達成に向けた役割を担い、活動しています。営業部門をはじめそれぞれの部門やチーム、メンバーには各々の役割や責任範囲がありますが、曖昧な部分もあるのではないでしょうか。
営業目標を設定し到達すべきゴールを数値化することで、それぞれの役割や責任範囲が明確になります。それにより、組織全体の円滑な活動や連携の強化につながります。
生産性を上げるため
営業目標を設定し、担当者が何をすべきか明確にすることで効率的に行動できるようになります。営業目標がなければ、各メンバーは組織の目標を踏まえた適正な個人目標を自ら考えなくてはなりません。個人の目標が低すぎたり、組織目標とズレたりする場合は修正が必要です。
チームや個人の目標をあらかじめ設定することで、組織目標との方向性のズレなどもなく、効率的に営業目標達成が目指せます。営業メンバー全員がやるべきことに集中できるため、効率性がアップし、生産性の向上につながります。
モチベーションを上げるため
適切な営業目標の設定は、営業担当者のモチベーション向上にも効果的です。明確な目標があれば、それをなんとかして達成したいという意欲が生まれます。一人ひとりがどうすれば到達できるか工夫をこらし、集中して取り組むことが期待できます。
具体的な目標があればやるべきタスクも明確になり、遠回りして挫折する可能性も低くなるでしょう。自分の考えで行動したことで困難な目標を達成できれば、モチベーション向上につながります。
「SMARTの法則」を活用した営業目標の立て方
ここからは具体的な営業目標の立て方を解説します。まずは「SMARTの法則」を使った立て方です。「SMARTの法則」は個人目標の設定に効果的といわれており、目標設定の要素を5つの成功因子に分けて考える特徴を持っています。
Specific(明確性)
Specific(明確性)とは、目標および目標達成に向けた行動に明確な根拠があるかということです。これは、わかりやすい具体的な行動を表しており、営業担当者が理解しやすい目標を設定することを指します。
たとえば、成約率が低い場合は「成約率をあげる」だけではどのような行動を取ればよいかがわかりません。前月と同じ成約率とした場合、1日の商談件数を増やすことで売上向上につながります。個人の能力の範囲内で「1日5件商談し、売上10%アップを目指す」のように設定すると具体的なアクションが可能になります。
Measurable(計量性)
Measurable(計量性)は、達成度合いを数値として判別できるかどうかを指します。たとえば、「売上額3%向上」や「新規見込み客を10件増やす」のように数値で表せる目標設定を行うということです。
目標が数値化されることでやるべきことが明確になり具体的な行動がとれますし、進捗度合いの評価もしやすくなります。明確に数値で表せるため、達成できなかったプロセスに対する改善点の分析にも役立ちます。
Achievable(達成可能性)
Achievable(達成可能性)とは、現実的に達成可能な目標であるかどうかということです。全体として高い成果をあげたいがために、実際の状況とかけ離れた目標を設定することは現実的ではありません。
たとえば、1日5件行っている訪問を、100件訪問するという目標にしても到達できる可能性が低すぎて、やる気が下がります。目標を立てる際は、能力や現状を把握して、頑張れば現実的に達成可能と思われる設定にすることが肝心です。
Relevant(関連性)
Relevant(関連性)は、企業の営業戦略に関連がある目標かどうかということです。たとえば、企業の方針がアップセルによる客単価向上の場合は、成約率よりも既存顧客へのアプローチを優先することが求められます。
企業の方針に関わる目標であれば、他の営業担当者と方向性が揃い、情報共有や連携して企業の目標達成に貢献できます。チーム目標なども参考にし、上司とも相談して会社の最終目的にふさわしい目標を設定することが大切です。
Time-bound(期限設定)
Time-bound(期限設定)は、目標達成に適切な期限を設けているかどうかということです。目標を立てる際は、いつまでにどこまで到達するかを決めることが必要です。期限が明確に決められていない場合は、行動計画も曖昧になり、やる気が起こらなくなるでしょう。
1年後に達成したい大きな目標に対して、四半期、月間など期限を切った目標を定めるとやるべきことが明確になります。大きな目標への進捗状況がわかりやすくなる効果もあります。
「ベーシック法」を活用した営業目標の立て方
次に、「ベーシック法」を活用した営業目標の立て方を解説します。ベーシック法は4つのステップで構成され、目標設定の基本となる考え方であるとされています。営業部門全体の目標や個人目標のどちらにも利用可能です。
目標項目
まず、何を達成したいのかを考え、売上・新規顧客など項目を分けて具体的な目標数値を設定します。たとえば、「前期売上の2倍である2,000万円」「顧客単価を前年比1.5倍」などです。
ここでは営業活動における強みや改善していきたいプロセスなどを考慮して目標を立てることが大切になります。目標達成に必要な要素を細分化していき、具体的な行動や利用するツールなどを明確にしましょう。
達成基準
次に、何をもって目標達成と言えるか達成の基準を設定します。基準を明確にしておかないと、達成できたか未達成だったかが曖昧になる可能性があります。
達成基準は定量的に測定し、できるだけ数値化することが大切です。たとえば、最終目標である売上達成のために「個人目標は月50万円」「チームで月200万円を目指す」などです。数値化しにくい場合は行った行動などを判断する、定性的な基準を設けるようにします。
期限設定
そして、目標の達成期限を設定します。最終目標が1年後であれば、1ヶ月、四半期、半年など細かく期限設定しておくと、より効果的です。「1ヶ月で10%達成、四半期で30%達成」など、全体で到達すべき期限を明確にしておきます。
期限が明確であればゴールから逆算して1日ごとのタスクを設定することができます。効率的に営業活動ができるようになり目標に到達できる可能性が高まるでしょう。
達成計画
最後に、達成までの具体的なプランを設定します。達成計画では、目標項目をブレイクダウンして具体的な数値や必要なタスクをあげます。たとえば、顧客単価10万円で売上2,000万円を目指す場合は200件の契約が必要です。
1年で200件として、1ヶ月16件、1週間4件の成約を目指すために顧客の訪問数やアプローチなどを計画していきます。
営業目標を立てる際の5つのポイント
営業目標を設定したからといって、すべてが効果的な運用につながるとは限りません。営業目標を立てる際には、以下のポイントを押さえるようにしましょう。
始めに課題を明確にする
適切な営業目標を立てたいなら、現状を正しく把握し、課題を明確にすることが大切です。自社の営業プロセスを細分化し数値化すると、何が足りないのかが分かり、課題や改善が必要な点を把握できます。
営業活動における課題を早期に発見し改善のための施策を検討することで、スムーズに業務改善を行うことが可能です。それにより、さらに大きな目標が達成できる可能性が高まります。
現実的な目標を立てる
営業目標を立てる際は、実際の状況を踏まえた根拠に基づいて設定を行うことが大切です。適切な目標設定ができれば、営業担当者のモチベーション向上に効果的です。現実的な目標を段階を踏んでクリアしていくことで、担当者は満足感を得て自信を持って大きな目標に向かっていけるでしょう。
また、適切な営業目標の設定は、担当者の成績管理にも役立ちます。目標の到達状況が数値でわかるため、業績評価や個人の成長度合いが判断しやすくなり、納得のいく評価が可能になります。
具体的な数値で設定する
適切な目標を立てたいなら、これまでのデータに基づく具体的な数値で設定することが大切です。前年度や前期の売上実績を参考にすることで、どれくらいの売上が見込めるのかが算出できます。
また、売上は営業メンバーの能力や経験によっても左右されます。営業担当者個々の実力に応じた目標を設定することで、企業の目標に向けた修正をバランスを取りながら行えるようになるでしょう。
1日単位まで細分化して目標を立てる
設定した目標から逆算して、1日単位に細分化した目標を立てることも大切です。長期的な目標だけでは今すべきことが曖昧になり、緊張感を削ぐことがあるからです。1日という短い期間の目標であれば、日々のタスクが明確になり、着実にこなしていけるでしょう。
また、1日ごとの営業活動が数値化されるため、問題点の検証や分析がしやすくなる効果もあります。短いスパンで振り返りが可能になり、効率的な営業活動につなげられます。
目標の進捗状況を確認する
設定した目標の進捗状況は、常に確認することが大切です。定期的に進捗管理を行わないと、方向性がズレたり、目標への到達が難しくなる可能性があります。
常に進捗状況を管理しておけば、短期間の目標に対して修正や対処がしやすくなり、最終的な目標を達成できる可能性が高まります。週に1度、半月に1度など定期的に進捗をチェックし、把握するようにしましょう。
営業目標を立てて、営業の効率化や売上向上につなげよう
営業目標の設定は、企業の目標に対する役割の明確化や生産性向上、担当者のモチベーションアップに効果的です。フレームワークを活用すると自社の営業活動状況に合わせた適切な目標設定が可能になります。
目標設定の手順を踏み、運用のポイントを押さえることで効果的な営業目標を立てることができます。適切な目標を設定し、営業活動の効率化や企業の売上向上を目指しましょう。
営業支援AIツールで営業目標の進捗を把握
オンラインでも、オフラインでもAIが商談を録画・議事録を作成してくれる営業支援AIツール「ACES Meet」。
このツールは、商談やミーティング中の様子を録画、AIが自動で文字起こし、議事録の作成まで行えます。また、話しているスピードや内容などをAIが解析し、どんなトピックにどれくらい時間を使ったのか、重要な箇所はどこなのかを分かりやすく表示します。
この議事録を見ることで、振り返りやナレッジの蓄積、タスクの抜け漏れ防止にもなります。また、トッププレイヤーの録画映像は、生きた教材となり、良質なOJTとなるでしょう。
まずは情報収集として、お気軽に資料をダウンロードしてみてください。