さとり世代の特徴は?ゆとり世代やZ世代との違い、仕事に対する価値観、うまく接するためのポイントを紹介
更新日:2024年09月29日
公開日:2024年09月29日
若手社員は「さとり世代」や「ゆとり世代」「Z世代」などと呼ばれており、仕事での対応が難しいと感じる人もいるでしょう。それぞれの呼び名の由来や時代背景を知っておくと相互理解が深まり、仕事においても良い関係が築きやすくなります。
この記事では、さとり世代の概要と特徴を中心に他の世代との違い、仕事でうまく接するためのポイントについて解説しています。さとり世代の特徴や価値観を踏まえて、仕事で協働や育成する際の参考にしてみてください。
目次
さとり世代とは?
さとり世代とは、1990年後半から2000年前半頃に生まれた人たちを指す言葉です。この世代は、約10年続いたゆとり教育が見直され、「脱ゆとり教育」が実施された時期に義務教育を受けています。個性を尊重する教育を受けており、自分や他人の価値観を大切にします。
経済的に不安定な社会で生まれ育ったため、期待や大きな欲望は持たず堅実な人生を歩むことを考える人が多いことが特徴です。その様子が悟りを開いた僧侶のように見えることから、さとり世代と呼ばれています。
さとり世代はIT化が進展する中で育っており、デジタルデバイスの扱いやネットによる情報収集などが得意です。仕事においてはワークライフバランスを重視し、プライベートの時間を大切にする傾向があります。
さとり世代が生まれ育った時代背景
さとり世代はバブル崩壊後に生まれており、企業の破綻やリストラ等による失業者の増加など不況の中で育ちました。阪神淡路大震災やリーマンショックなどの出来事と不安定な経済状態が続き、厳しい現実を目の当たりにしてきた世代です。企業の終身雇用制が崩れ始めた時期でもあります。
そのため、一流企業で定年まで働くことは考えず、大きな夢や野望などを持つことも初めからあきらめている人が多数派です。出世や成功などは望まず、人と競い合うことよりも穏やかで安定した人生を求める傾向があります。
高度経済成長期を経験した管理職世代とは大きく異なる時代背景を持つことが、さとり世代ならではの特徴につながっています。
さとり世代と他の世代の違い
若手社員には、さとり世代の他にも「ゆとり世代」「Z世代」「つくし世代」などと呼ばれる人たちがいます。ここでは、それぞれの特徴やさとり世代との違いについて解説します。
ゆとり世代との違い
1987年から2004年に生まれた人たちは、ゆとり教育を受けて育っていることからゆとり世代と呼ばれています。ゆとり教育とは、それまでの詰め込み型の教育から転換を図り、子ども一人ひとりの個性や考えることを重視した教育のことです。
ゆとり世代は、それぞれの個性や価値観が尊重される教育を受けているため、多様性を受け入れ、競争ではなく協力を好みます。さとり世代の一つ前の世代に当たり、受けた教育はやや変わりますが共通した特徴が多く、大きな違いはあまりみられません。
参考:ゆとり世代の特徴は?一緒に仕事をする際のポイント6選と他の世代との違いを紹介
Z世代との違い
Z世代とは、1990年代半ば頃から2000年代前半頃に生まれた世代のことです。アメリカではこの世代を「ジェネレーションZ」と呼ぶことから名付けられた呼び名です。Z世代は他の世代とは大きく異なる特徴を持っているとされています。
Z世代は生まれたときからインターネット環境が整っている、真のデジタルネイティブ世代です。日常的にデジタルデバイスを使いこなし、多様な価値観を当たり前のように受け入れます。SNSなども身近なため、情報収集能力やネットコミュニケーション能力が高いといえます。周りからの評価を重視することや、より高いITリテラシーを持つことがさとり世代との違いです。
参考:Z世代を育成する際のポイント5選|Z世代の特徴や教育の失敗例も紹介
つくし世代との違い
つくし世代は、1980年代後半生まれ以降の世代を指す言葉で、さとり・ゆとり世代と年代的に大きな差はありません。つくし世代は「尽くし世代」から生まれた造語であり、献身的で自己犠牲のイメージが強いことから呼ばれています。
つくし世代は共感力が高く、思いやりの気持ちが強いため、人に尽くすことに喜びを感じる傾向があることが特徴です。さとり・ゆとり世代よりも「個に対する尊重」が強く、自分の価値基準を重視します。自身の将来の安定や心身の安全のために周囲に気配りする傾向が高いことが他の世代との違いといえるでしょう。
さとり世代の特徴
世代の違う人たちと仕事で上手くやっていくためには、どのような価値観や考えを持つ傾向があるのか知っておくことが必要です。さとり世代はどのような特徴を持っているのか詳しくみていきましょう。
現実主義である
さとり世代は、バブル崩壊や自然災害による経済不況のさなかで成長しているため、現実主義の傾向があります。仕事においては、頑張って出世するよりも堅実で安定感があることを重視します。
大きな夢や目標を実現するために情熱を傾けることは少なく、努力に対して相応の結果が出ることに真剣に取り組む人が多いです。また、挑戦しても結果が分からないことに対しては興味を示さず、消極的になる可能性があります。
デジタルネイティブである
さとり世代は、幼少期からPCやスマートフォンなどに触れる機会が多く、デジタル技術の扱いに慣れているデジタルネイティブです。インターネットを介して情報を収集し、日常生活でも仕事でもデジタルデバイスを活用します。
さとり世代は、日本がデジタル化していく途上で育ったため、次々と新しい技術やサービスが提供されることに抵抗感がありません。そのため、最新のデジタル機器の操作や、社内システムなどにも意欲的に取り組むことができます。
ブランドにこだわらない
さとり世代は、不景気な社会が日常的であったため、浪費を抑え現実的な行動をとる傾向があります。そのため、商品を購入する際は実用性を重視し、ノーブランドでもコスパのよいものを選ぶことが多いのも特徴です。
それまでの世代で見られた、高級なものを所有して自身のステータスを上げるという意識も薄いといえます。インターネットが身近なため、SNSなどの口コミやレビューから安くて実用性の高い商品やサービスの情報を集めることが得意です。
周囲の人との衝突を避ける
さとり世代は、競争を意識する教育をあまり受けていないため、周囲の人との衝突を避ける傾向があります。他人をライバル視することに慣れておらず、周りの人と協力して効率的に何かを成し遂げることを重視する人が多いです。
さとり世代の価値観の中には、人と競うことや優位に立つことには魅力を感じないという面がみられます。自分を取り巻く人たちの多様性を受け入れ、安定した良好な人間関係を保つことを好みます。
さとり世代の仕事に対する価値観
次に、さとり世代は、仕事においてどのような考え方や価値観を持っているのか解説します。相手の仕事に対する価値観を知っておくと、トラブルなどを回避できる可能性があります。
効率重視である
デジタルネイティブであるさとり世代は、インターネットで情報収集し取捨選択することに慣れており、効率を重視します。仕事においても業務をより効率的に行えるような方法を考え実践することができます。
情報の処理能力や社内システムへの順応能力も高いため、部署やチームの業務効率化に貢献するでしょう。ただし、効率的でない業務に対しては意欲が持てないことがあります。行う意義を感じない業務が多いと、モチベーション低下につながります。
会社への帰属意識が低い
さとり世代は、経済が不安定になり終身雇用が崩れた時代に育っています。そのため、自身が働く会社に対して、愛着をあまり持っておらず帰属意識も低い傾向があります。
会社のために働くというよりは、自分のスキルアップや個人のキャリアのために働くという価値観を持つ人が多いです。自分が求める環境でないと分かると、より自身の成長につながる企業に積極的に転職することも考えられます。
指示を忠実に受けとめる
さとり世代は、周囲の人との衝突を避ける傾向があるため、仕事の指示を忠実に受け止め、与えられた仕事をきちんとこなします。指示通りに業務をこなす行動の背後には、自分の判断で行ったことに対し叱られるリスクを避けたい気持ちも存在します。
慎重に必要な業務だけに取り組むことから、指示されたことだけしかできない世代と思われがちです。さとり世代に能動的に行動してもらうには、会社の目標や求める役割などを共有し納得してもらうことが大切です。
自己成長に意欲的である
さとり世代は、不況・リストラなどの問題を見聞きして育ったことから、自身の市場価値を高めたいと考えています。自己成長やスキルアップに対して意欲的な傾向があり、自分のキャリアに役立つ仕事や業務を好むのも特徴です。
そのため、依頼された仕事が自分のスキルアップや経験につながることが分かれば意欲的に取り組むようになります。一方で、今の職場が自分の成長につながらないと考えると、より良い仕事環境を求めて転職することも考えます。
プライベートを大切にする
さとり世代は公私をはっきりと区別している人が多く、プライベートを詮索されたり侵害されたりするのを嫌がる傾向があります。この世代は生活や趣味などにこだわりを持っている人が多く、自分の領域を守る意識が高いことがあります。
そのため、休日の過ごし方や家族のことなどプライベートに関しては、詳しく聞き出すような態度は取らないようにしましょう。長時間労働や業務外の交流などには抵抗があり、プライベートの時間が取りやすい労働環境を好みます。
さとり世代と仕事でうまく接するためのポイント
さとり世代の特徴や仕事に対する価値観がわかったところで、うまく接するためのポイントを紹介します。以下の点に注意するとスムーズに協働できるようになるでしょう。
具体的な指示をする
さとり世代は、感覚的な教育やあいまいな指示を嫌がる傾向があり、効率性を求めます。仕事では、いつまでにどこまで行うのか、マニュアルや指示書などを用いてわかりやすく指導することが大切です。
この世代は非合理的な根性論や命令・強制などには抵抗を覚える人が多いため、提案することを意識しましょう。依頼する際には理由や意味を論理的に伝えると納得して取り組むことができ、やる気を引き出すことにもつながります。
感情的に叱らない
さとり世代は、個性を尊重する教育を受けており、叱られるという経験が少ない世代です。一緒に働く際には、さとり世代ができなかったことや失敗に対して感情的に怒らないようにしましょう。
フィードバックにあたっても、頭ごなしに叱ったり怒ったりしてしまうと、委縮したり拒絶反応を示すことも考えられます。まずは良い点を褒めるなどして価値観を受け入れるようにし、改善点は一緒に対策を考えるようにしましょう。
プライベートに踏み込まない
さとり世代は、仕事とプライベートを区別したいと考える傾向が強いため、プライベートには深入りしないようにしましょう。生活や趣味などにもこだわりを持っていることが多いので、干渉されたり余計な詮索をされたりすることを嫌う傾向があります。
仕事時間外の親睦会などにも抵抗を持つことがあるため、プライベートの時間を確保できるように自由参加にすることも必要です。仕事での関わりと割り切って対応することで、お互いに気持ちよく働けるようになります。
さとり世代や各世代の特徴を理解し職場環境向上につなげよう
さとり世代を始めとする若手世代は、仕事に対する貪欲さが低く、マイペースで対応しづらいと考える人もいます。記事で紹介した時代背景や受けた教育を把握することで、各世代の考え方や価値観を理解しやすくなったのではないでしょうか。
さとり世代、ゆとり世代、Z世代などの若手社員と接するときは、優れた特質や良い面を引き出す工夫が大切です。それぞれの世代の特徴を活かして、業務の効率化や働きやすい職場づくりにつなげましょう。
営業支援・育成AIツールでZ世代にあった人材育成を実現
オンラインでも、オフラインでもAIが商談を録画・議事録を作成してくれる営業支援AIツール「ACES Meet」。
このツールは、商談やミーティング中の様子を録画、AIが自動で文字起こし、議事録の作成まで行えます。また、話しているスピードや内容などをAIが解析し、どんなトピックにどれくらい時間を使ったのか、重要な箇所はどこなのかを分かりやすく表示します。
この議事録を見ることで、振り返りやナレッジの蓄積、タスクの抜け漏れ防止にもなります。また、トッププレイヤーの録画映像は、生きた教材となり、良質なOJTとなるでしょう。
まずは情報収集として、お気軽に資料をダウンロードしてみてください。