ゆとり世代の特徴は?一緒に仕事をする際のポイント6選と他の世代との違いを紹介
更新日:2024年09月29日
公開日:2024年09月29日
ゆとり世代と一緒に仕事をするときは、その世代の特徴を理解して対応するとスムーズに進められます。ゆとり世代は仕事で関わることも多い年代ですので、適切な対応法を知りたいという人は多いのではないでしょうか。
この記事では、ゆとり世代の概要と特徴、一緒に仕事をする際のポイント、他の若手世代との違いを解説しています。ゆとり世代はどのような特徴を持つのかを把握し、協働の際の参考にしてください。
目次
ゆとり世代とは?
ゆとり世代とは、1987年4月2日から2004年4月1日に生まれた人たちを指す言葉で、2024年現在20歳から37歳の人たちのことです。この年代は義務教育期間を中心に「ゆとり教育」を受けており、そこから名付けられた俗称です。
日本ではこの時期、それまでの詰め込み型の教育を見直し、一人ひとりの個性や考えを大切にする教育へと転換を図りました。子どもがゆとりを持って学べるように生活環境を改善するため、段階を踏んで学校は完全5日制に移行します。
しかし、土日が休みになったことや授業内容の見直しにより、基礎的な授業数が減少し、学力の低下が問題視されるようになりました。2011年からは学力維持を図るため脱ゆとり教育へと進んだ過程があります。
スーパーゆとり世代
ゆとり世代の中でも小学校から高校まですべてゆとり教育を受けた1995年生まれのことを「スーパーゆとり世代」と呼びます。スーパーゆとり世代は、小学校入学時からデジタルツールを操作したり、多様性への理解などの教育を長期間受けた世代です。
他人をライバルと見るよりも違う価値観を持つ人として受け入れるため、競争心は薄く、協力することを重視します。ゆとり教育以外の指導を受けていないため、ゆとり世代の持つ特徴を最も強く反映している年代といえます。
ゆとり教育
ゆとり教育とは、それまでの詰め込み型の教育方針を見直し、子どもの個性や自分で考えることを重視した教育のことです。ゆとり教育は、2002年に始まり約10年続きました。主な取り組みには、授業時間の削減や、総合的な学習時間の導入、完全学校週5日制などがあります。
これにより社会性の向上や、知識を活かす力を育むことを目指しました。しかし、学習内容の削減などにより学力の低下が問題となり、2008年には学習指導要領が一部改訂されます。その後、小学校は2011年、中学校は2012年に「脱ゆとり教育」へと向かうことになります。
ゆとり世代の特徴
世代の違う社員とうまく接していくためには、その特徴を把握することが大切です。ここでは、ゆとり世代の特徴を7つの要素で解説していきます。
競争ではなく協力という価値観が強い
ゆとり教育では競争や順位付けをなるべくしない方針があったため、この世代は競争意識が低いという特徴があります。成績は相対評価ではなく絶対評価によって決められ、人と比較したり競ったりすることもありませんでした。
そのため、ゆとり世代は他者をライバル視することが少なく、むしろ協力して何かを成し遂げることに重きを置いています。仕事においても誰かと競ったり出世を目指したりするのではなく、チームワークを重視する傾向が強いといえます。
ITリテラシーが高い
幼少期よりスマホやPCなどのデジタル機器に触れる機会が多く、ITリテラシーが高いことも特徴の一つです。SNSの利用やインターネットによる情報収集も日常的にこなし、社内システムにもすぐ馴染みます。
デジタル化が進展する中で成長しているため、新しい技術も抵抗感なく受け入れられます。電話よりもチャットやメールでの連絡を好む傾向があるため、それらを利用するとスムーズにやり取りできるようになるでしょう。
ワークライフバランスを重視する
ゆとり世代は、仕事とともにプライベートも大切にしたいと考えるため、ワークライフバランスを重視する傾向があります。「頑張って働いて出世したい」とは考えず、「仕事と家庭を両立した幸せ」に重きを置きます。
そのため、長時間労働や業務時間外のつきあいなどに抵抗感を持つ人が多いこともこの世代の特徴です。仕事先を決める際は、有給休暇取得率や残業時間が適正かなど、ワークライフバランスの整っている会社を選ぶ傾向があります。
ストレス耐性が低い
ゆとり世代は、個性を尊重し、褒めて伸ばすという教育を受けていたため、叱られた経験が少ない世代です。そのため、社会に出た後で仕事や人間関係におけるストレスにうまく対処できない人も多くみられます。
感受性が繊細な面があり、大きな声を出されたり、失敗を叱責されると委縮してしまう人もいます。そのようなストレス下では持っている能力を発揮することもできないため、指導する際は適切な方法を選ぶことが必要です。
協調性が乏しい
ゆとり世代は、個性を大切にする教育を受けているため、周囲に合わせるよりも自分の価値観を大切にする傾向があります。単独行動が得意であり、「したいこと」と「したくないこと」を明確に分けようとするのも特徴です。
会社の行事や付き合いなどがあってもプライベートを優先するため、全員参加であっても一人だけ欠席することもあるでしょう。協調性が乏しい世代であると理解して、寛容な雰囲気を作ることが大切です。
転職への抵抗感が低い
ゆとり世代は、転職への抵抗感が低いことも特徴といえます。この世代は不況の中で生まれ、就職期はバブル崩壊後の不安定な時期であったことが影響しています。大企業の経営破綻や海外企業の進出なども相次ぎ、企業の終身雇用制が崩れ始めた時代です。
そのため、一つの企業で定年まで働くという感覚を持たない人が多く、自分らしく働きたい気持ちも強く持っています。プライベートを重視するという自分の価値観に合った労働形態や職場環境を求めて、積極的に転職する傾向がみられます。
多様性を受け入れられる
ゆとり世代は、自分と異なる文化や価値観、考え方を持つ人たちに対して寛容であることも特徴の一つです。多様性を受け入れ、自分と価値観や考えの異なる相手をなるべく理解し、共存しようと心がけます。
ゆとり世代は、既存の枠組みにとらわれず、解決策や新しい発想を考えることも得意です。自分の意見を持ちつつ多様性を受け入れることにより、仕事においても独創的なアイデアを生み出すことが期待できます。
ゆとり世代と仕事をする際のポイント6選
ゆとり世代と仕事をするときは、それまでの世代と同じような対応をするとやる気を低下させるなど円滑に進まないことがあります。ゆとり世代への対応は、以下の点に注意するとスムーズに協働していけるでしょう。
感情的に叱らない
ゆとり世代がミスをしたときは、感情的に怒らず、改善できるようにアドバイスをするようにしましょう。この世代は叱られることになれていないため、感情的に怒られると委縮しやすくなってしまいます。
ミスを繰り返さないためにどうすればよいか、叱るのではなく改善策を一緒に考えるようにするとよいでしょう。その際には、勝手に考えた改善策を押し付けるのではなく、本人の意見も取り入れることが大切です。
具体的に指示する
ゆとり世代は競争意識が低く、昇進などに対する欲求も低い傾向があります。挑戦や目標を立てて達成することも得意ではないため、具体的に指示するようにしましょう。
ゆとり世代は、自発的な行動は得意ではありませんが、適切な指示があると素直に取り組むまじめさを持っています。達成すべき目標や、そのための手段・手順などを明確に指示することで、それに向かって進んでいくことができます。
定期的にフィードバックをする
ゆとり世代には積極的に褒めるなど定期的にフィードバックをするようにしましょう。個性が評価されてきたゆとり世代は、仕事においても結果だけでなくそのプロセスを見てほしいと感じます。
できたことや良い点は積極的に褒めることで、モチベーションを向上させることができるでしょう。定期的にフィードバックすることで、上司への信頼感を得たり、やる気を保ったりしやすくなります。
価値観を受け入れる
ゆとり世代は、相手の価値観を受け入れることができますが、同時に自分の価値観も受け入れてほしいと考えています。ゆとり世代が持つ考えや価値観を受け入れるために積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
同世代であっても価値観はさまざまですので、ひとくくりに考えることはせず、相手のことを理解する意識が大切です。
会社の経営方針やビジョンへの共感を得る
ゆとり世代に対応する際は、会社の目標や方向性を明確に伝え、その中で彼らが果たす役割や意味を伝えることも必要です。この世代は社会問題への関心が高く、企業理念やビジョンへの共感を重視する傾向があります。
会社の中でどのような役割が果たせるか、自分の業務の意味がわかるとモチベーションアップが可能です。昇進などを重視しないゆとり世代にとっては、会社に共感できることがやる気につながります。
プライベートに入り込まない
ゆとり世代は「仕事とプライベートは別」と考える思考が強いため、無理にプライベートに入り込まないようにしましょう。業務時間外の親睦会なども参加したがらないことがあるので、自由参加にするなど、価値観を尊重するようにします。
また、休日の過ごし方をしつこく聞いたり、恋人や家族関係のことを聞き出すことも避けるようにしましょう。あくまでも仕事仲間として信頼関係を築くと考え、プライベートには深入りしない姿勢が大切です。
ゆとり世代と他の世代の違い
ゆとり世代の他にも、「Z世代」「ミレニアル世代」「さとり世代」と呼ばれる世代があります。ゆとり世代とその他の世代には重なる部分も多いのですが、異なる部分もあるためその違いについても押さえておきましょう。
Z世代との違い
Z世代は、1990年代半ば頃から2010年代始め頃に生まれ、2024年現在では11歳前後から29歳前後の世代です。この世代は生まれたときからパソコンや携帯電話が普及し、インターネット環境が整っているデジタルネイティブ世代です。
SNSなども身近で、日常的にデジタルデバイスを利用しているためITリテラシーがゆとり世代より高いといえます。ただし、情報収集などはスマートフォンをメインに行うため、パソコンスキルはさほど高くありません。ブランドなどには興味がなく、人気や知名度より自分の価値観を重視する傾向があります。
参考:Z世代を育成する際のポイント5選|Z世代の特徴や教育の失敗例も紹介
ミレニアル世代との違い
ミレニアル世代は、「2000年以降に成人となった世代」のことで、Y世代とも呼びます。1980年から1990年代半ばに生まれた人たちを指し、Z世代の先輩世代に当たります。2000年は、SNSなどのインターネット上のコミュニケーションプラットフォームが広がり、個人の情報発信が活発になりました。
この世代は、デジタルとアナログの両方を体験しているため、ITツールに依存せずほどよい距離を保てるのが特徴です。ミレニアル世代はゆとり世代とほぼ重なっているため、大きな違いはないと考えるとよいでしょう。
さとり世代との違い
さとり世代は、1996年頃から2005年頃に生まれた世代であり、主に脱ゆとり教育を受けて育っていることが大きな違いです。この世代はバブル崩壊後の不景気な時代に生まれ、前世代の反面教師のような特質をもちます。
浪費したりせず、恋愛にも興味を持たないことが多く、悟りを開いたように見えることからさとり世代と呼ばれます。他者と協力するよりも自分の考えで選択することを好み、周りのことは気にしない傾向がある世代です。
参考:さとり世代の特徴は?ゆとり世代やZ世代との違い、仕事に対する価値観、うまく接するためのポイントを紹介
ゆとり世代の特徴を把握して能力を引き出し、仕事で成果をあげていこう
ゆとり世代は、2024年現在で40歳未満の若手社員を指しており、これからのリーダー世代ともいえます。しかし、上昇志向が薄いことや、プライベートを大切にする価値観から必要な仕事だけするという傾向がみられます。
ゆとり世代とうまく協働し成果をあげるためには、この世代の持つ特徴を把握して、能力やアイデアを引き出すことが必要です。ゆとり世代を上手に活用し、育成して、企業の成長につなげていきましょう。
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