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Off-JTとは?OJTとの違いやメリット・デメリット、事例を紹介

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更新日:2024年04月17日

公開日:2024年03月24日

企業における人材育成にはさまざまな方法があります。日本では、より実践的な方法として、上司や先輩から実務を通して学ぶOJTを取り入れる企業が多い印象です。一方、OJTと対となるOff-JTを組み合わせて実施する企業も増えてきました。

そこで今回は、Off-JTについて、OJTとの違いやメリット・デメリット、上手く活用するためのポイントなどを紹介します。

Off-JTとは

Off-JTとは、「Off-The-Job Training」の略語です。職場や業務を離れて時間や場所をもうける教育訓練のことを指し、研修・セミナーの受講や通信教育、eラーニングなどを通じて業務に必要な知識を身につけます。多くの場合、座学による知識のインプットが中心となり、指導は外部の講師や研修を専任としたスタッフが担います。外部での学びを通して、体系的かつ専門性の高い知識を深めることができる育成方法といえるでしょう。

Off-JTの定義

では、どのような学びがOff-JTと呼ばれるのでしょうか。Off-JTは、現場から離れてセミナーや研修を行う方法で、主に、対象者を一カ所に集める集合形式、オンライン形式、ハンズオンという3つの形式に分けられます。

講師は社外の研修講師や社内インストラクターなどが行い、座学やグループワーク、セッションでの意見交換など、受講の形態はテーマに合わせてさまざまです。また、新入社員に向けたものだけでなく、管理職になる人に向けたマネジメント研修や中堅社員などを対象にしたキャリアアップ研修などもOff-JTに含まれます。Off-JTでは知識の土台となる「型」のインプットを目的としており、業界動向やマネジメントの基礎、理論や原理原則を学ぶのです。

SDSとの違い

人材育成方法のうち「SDS」を導入して、社員の自発的な学習や自主研修の取り組みをサポートしている企業もあります。SDSは、「Self Development System」の略語で、自己啓発援助制度を指します。具体的には、資格取得における受験料の援助などが挙げられます。

SDSは基本的に従業員が自主的に取り組むものであるのに対し、Off-JTは、企業側が主導権を持っており、必要な従業員に対して等しくスキル習得の機会を提供する点が違いです。

OJTとの違い

新入社員研修においてOff-JTとよく比較されるのが「OJT」です。OJTは「On-The-Job Training」の略称で、上司や先輩から現場での実務を通して指導を受ける教育訓練を指します。OJTは基本的にマンツーマンでスキルや知識を習得するため、即戦力となる人材を育てられるという強みがあるのです。その一方で、体系的な知識を学びにくいという傾向も指摘されています。

この弱みをカバーできるのがOff-JTです。OJTとOff-JTは人材育成においていずれも欠かすことができない手法で、両者がセットになった教育がより良いとされています。

参考:OJT(On-the-Job Training)とは?企業と社員のメリット、デメリットを解説

Off-JTの手法

Off-JTを実施する手法として、主に集合研修、通信教育、e-ラーニング、外部講座が挙げられます。ここではこの4つの手法について、それぞれの特徴を紹介します。

集合研修

集合研修は、研修を受ける人が外部の会場や会議室などに集まって、または近年ではWeb会議ツールなどを用いて、リアルタイムに実施する研修です。その場にいる全員に対して同じ知識を与えることができ、グループワーキングやグループトークに向いています。

また、集合研修は研修の目的に合わせて受講する社員を選べるため、必要な時期に必要な人に対して研修が行えます。階層別や業務内容別、ビジネス全般のスキルに関する研修などが代表的です。

通信教育

時間が空いた時に自分のペースで学習を進められるのが通信教育です。まとめられた要点を安く手軽に、時間が空いたときに学んでいくことができます。移動や場所にかかるコストも必要ありません。

ただし、受講者の意欲が低い場合は十分な効果を発揮できない可能性があります。また、業務過多の場合、後回しになってしまうこともあるでしょう。効果的に学習が進められるよう業務を調整したり、達成度を人事評価の対象に含めるなど学習意欲を高める工夫が必要です。

e-ラーニング

e-ラーニングは、インターネットで動画を見て学習し、途中でテストをする手法です。通信教育のひとつに数えられる場合もあります。メリットは、一度動画や資料を作ってしまえば使いまわすことができることです。高レベルな講師への依頼にもオススメの手法です。

基本的には一人で受講し、自主的に進める学習体系のため、学習者のモチベーションによって成果が左右されがちです。通信教育と同じく達成度を人事評価の対象に含めるなど、学習意欲を高める施策も必要となるでしょう。

外部講座

外部講座は、その名のとおり外部から講師を招いたり、外部に学習しに行く方法です。新しい観点からものを見る、広い視野を手に入れるという効果が期待できます。社外の人と学ぶような企画であれば、自社では学べない新たな知識を得たり、社外の人脈を広げたりすることも可能です。

その反面、自社の規模や業務内容、流れなどに合う内容ではないというケースもあります。参加する研修を選ぶ際は事前に内容を確認し、慎重に判断しましょう。

Off-JTの研修の種類

Off-JTで行われる研修の種類は目的に応じてさまざまです。たとえば、新入社員向け、リーダー向けなど社員の階層に合わせた研修や、セールス研修や技術研修など職種に合わせた研修があります。ここでは代表的な研修の例を紹介します。

階層別研修新入社員研修
中堅社員研修
リーダー研修
管理職研修
評価者研修
アルバイト研修
職種別研修セールス研修
技術研修
コミュニケーション研修
マーケティング研修
基礎研修コンプライアンス研修
個人情報保護研修

階層別研修は、社員の階層別に必要なスキルを学ぶ研修、職種別研修は職種別で必要なスキルを学ぶ研修、基礎研修は社員全員が知るべき内容を学ぶ研修です。

Off-JTのメリット

ここまで、Off-JTの特徴やよく比較される他の育成方法との違い、手法などについて紹介しました。多くの企業で取り組まれているOff-JTですが、企業はどのような成果を求めて実施しているのでしょうか。Off-JTのメリットについてまとめました。

体系的に必要な知識を学べる

Off-JTのメリットは、体系的に必要な知識を学べる点が挙げられます。外部から講師を招いて学習を進めるため、社内の業務では得られなかった新しい視点やノウハウ、技術などの習得が可能です。

OJTの場合は発生した業務をもとに指導を受けるため、場当たり的になってしまうことがあります。

その点Off-JTでは、業務に必要な知識や考え方を体系的にじっくりと学べるため、適切な順番で漏れなく知識や技術を習得することができます。

知識の習得にムラが生まれない

Off-JTは、同じ講師のもと、同じ教材で均質化された教育を行うため、同じ講義を受けた受講者の知識量にムラが生まれにくいのもメリットの一つです。

OJTの場合は、現場に合わせて上司や先輩が指導者になることが多いため、指導者の能力や相性によって成長度合いに差が生まれがちです。その点、Off-JTは同じ教育をベースにしているためバラつきを少なくすることができます。また、定期的に行うことで同期や同じ職階の人が顔を合わせ、交流を深める機会にもなるでしょう。

新しい関係性が生まれる

3つ目のメリットは、「横の繋がりを作りやすい」ということが挙げられます。事業所の形態にもよりますが、部署が分かれている事業所の場合、横のつながりが希薄になる傾向にあります。

そこで、Off-JTを実施することにより、受講生という同じ立場にいる人同士でコミュニケーションをはかることができるようになります。また、社外の人たちと学ぶ研修であれば、自社では学べない新たな知識を得たり、社外の人脈を広げることもできるでしょう。

Off-JTのデメリット

一方、Off-JTにもデメリットはあります。Off-JTはここまでに紹介したように、知識などを系統立てて学ぶという訓練方法です。そのため、習得した内容を実務にいかすまでに時間がかかる、コストがかかるなどの問題もあります。Off-JTのメリットを最大限に活かせるよう、デメリットについてもきちんと把握しておきましょう。

学習内容を活用するまで時間がかかる

Off-JTは、実務と離れたところで研修や講義を行います。そのため、OJTのような即時性・実践性に欠ける面があります。

将来的に役立つ知識や考え方を学ぶことはできますが、すぐに実践で活用する機会がないということもあるでしょう。また、内容によっては実務に直接的な関係がない場合もあります。学んだことの結果が目に見えるまでに時間がかかるため、周囲からOff-JTの必要性を問われる場面もあるかもしれません。

コストがかかる

Off-JTは研修講師を招く費用など経済的なコストがかかることもデメリットといえるでしょう。 そのため、予算や人数規模によって実施可能な企業が限られてしまいます。

またOJTとは異なり、教育のための機会を業務とは別に設けなければならず、経済的なコストに加えて、時間的なコストも覚悟しておかなければなりません。教育は長期的なものであり、将来に向けての先行投資と考えて実施する必要があるでしょう。

一時的に生産性が低下する

Off-JTの研修は業務時間内に行われるため、研修を実施している間、受講者である社員は業務を離れてしまいます。仕事がストップし、一時的に生産性が低下してしまうのは避けられません。

参加者の立場からみても、研修に参加することで仕事のしわ寄せが生じると、集中できない可能性もあります。受講者である社員が負担を感じないように配慮しましょう。

Off-JTの事例

では、実際に企業はどのようにOff-JTを活用しているのでしょうか。業種の違う3つの企業の具体例を紹介します。

老舗ジーンズブランド

ある老舗ジーンズメーカーでは、若手人材を育成する能力を向上させるため、管理者に向けたOff-JTを実施しました。

内容としては、対象者全員でビジネスドラマ仕立ての動画を視聴し、その後登場人物たちの行動を評価。その結果をディスカッションするというものです。ドラマ仕立てで参加者の興味を引く内容にしたほか、ディスカッションの時間を設けることで他人の意見に耳を傾け、自分とは異なる視点・考え方を知ることができたと評価されています。この研修は、管理者としての能力の向上、意識改革に貢献したといえるでしょう。

大手ハンバーガーチェーン

大手ハンバーガーチェーンでは、「ハンバーガー大学」という取り組みが有名です。ハンバーガー大学は「企業ビジョンを正しく伝えることで各店舗でのオペレーションの最大化が得られるための人材を育成する」 という役割を担うと定義づけられており、世界約100カ国以上で開催。日本では年間約1万人以上が受講しています。

ハンバーガー大学では、リーダーシップスキルやチームビルディングなど、階層や役職に応じたカリキュラムを受けることができ、WebやDVDなど複数の方法で学ぶことが可能です。

総合商社

ある総合商社では、Off-JTとOJTの両輪を基本とした人材育成を行っています。目的は、階層別の研修や自社における事業精神を浸透させることです。

国際的なビジネスを手掛けるこの企業で実施されているOff-JTは、各国で働く従業員との交流の場にもなっており、250種類を超える豊富な研修内容が用意されています。個人のキャリアに焦点を当てたキャリア研修や、多様な人材を指導する管理職向けのマネジメント講座など、内容を常にアップデートしているところからも、力の入れ具合が感じられます。

## Off-JTを上手く活用するためのポイント

Off-JTの特徴を踏まえ、上手に活用するためには押さえておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、5つのポイントを紹介します。

指導者の指導スキルを事前にチェックする

Off-JTの内容によっては、実務経験者が講師になる場面もあるでしょう。しかし、実務経験者全員が指導に向いているとは限りません。そのため、どの人に研修や指導を任せると効果的に実施できるのか、スキルの見極めが大切です。

また、講義形式の場合は、研修で用いる資料のわかりやすさも重視してください。経験値や能力に加えて研修資料を作る技術などについてもチェックして人選すると安心です。

Off-JTとOJTの両方を活用する

これまでに紹介したとおり、Off-JTの課題の一つに学んだ内容をすぐに現場で生かすことができないという点があります。そのため、教育の効果を高めるためにはOff-JTとOJTを両方を活用し、補完しあうと良いでしょう。

たとえば、OJTでうまくできなかったことや、理解できなかった部分を、Off-JTでの学びによってカバーできる場合があります。逆に、Off-JTで得た体系的、論理的な知識を、実践の場であるOJTで活かすこともできるでしょう。

業務の一部として受講する風土作り

日々の業務に追われる状態が続くと、現場を離れた研修に集中できない場合があります。しかし、目の前で起こっていることだけに取り組んでいると未知の出来事に対応するための備えができません。万が一前例のないことが起こったとき、その対処法がないとなると、企業の存続にまで影響を及ぼす恐れも出てきます。

そのような事態を防ぐためにも、「今後の仕事を効率よくスムーズに進めるため、いまの時間を学びに使う」など、Off-JTに参加することが将来に役立つという風土を作ることが大切です。

従業員一人ひとりが将来を見据えOff-JTを活用する

Off-JTは、受講しただけで終わるのではなく、得た知識やスキルを将来的にどう活用するのかも考えなけれなりません。

現在、企業はビジネスモデルや事業内容について大胆な変化が求められています。このような環境の中、従業員それぞれが力を発揮するには、自分のキャリアについて考える機会が必要です。一人ひとりが将来を見据え目標を掲げ、その目標達成のためにOff-JTを活用することで、企業の生産性向上、従業員のキャリア充実につながるでしょう。

教育訓練給付制度を活用する

教育訓練給付金制度を使うのも、Off-JTを上手に実施するポイントです。教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣が指定する教育訓練を終了した際に受講費用の一部が支給される制度です。

教育訓練給付金制度の対象となる講座は、厚生労働省の「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム」で検索でき、指定講座の更新状況も随時公表されています。このような制度を活用することで、費用負担を軽減しながら、Off-JTを実施しましょう。

Off-JTやOJTを組み合わせて、企業で活躍する人材の育成を

Off-JTとは、職場から離れた場所で、研修やセミナーの形式で実施される人材育成方法です。体系的な学びが得られる一方、得た知識を即時に実務で生かすことは難しいといわれています。そのため、よりよい効果を導くためには、OJTなど実務に直接関係する研修と合わせて実施することも大切なポイントです。

Off-JTやOJTなどの研修を上手に活用することは、企業にとって有用な人材の育成につながります。より専門的な教育や研修に触れることで、それぞれの才能が開花するかもしれません。長期的な企業の成長や業績の向上のため、企業で活躍する人材を育てていきましょう。

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執筆者

ACES Meet 編集部

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