営業のロープレ研修とは?4ステップで進め方、効果的に実施するためのポイントを解説
更新日:2024年05月21日
公開日:2024年05月17日
ロープレ研修とは、営業担当者が商談スキルを高めるために行う模擬練習のことです。営業ロープレを効果的に行うと、実践の場での成果や自信につながります。
この記事では、営業のロープレ研修の進め方やポイントについて解説します。
目次
営業ロープレ研修とは?
ロープレ(ロールプレイング)研修とは、主に営業担当者が商談スキルを高めるために行う模擬練習のことです。商談で求められるスキルは、営業トークの暗記だけに留まりません。
- ヒアリング
- 提案
- 契約を迷う相手への言葉がけ
上記のようなスキルは、顧客役との模擬練習を通して実践的に身に付ける必要があります。実際の商談で起こりうる、さまざまな状況への対応力を養うのがロープレ研修の目的です。
営業ロープレ研修の目的
営業ロープレ研修は、商談での対応力を高めるために行われます。実際に顧客と対面したとき「何を話すべきか」「どこまで聞いたらよいか」とわからなくなった経験のある人は多いでしょう。
営業ロープレは、相手とのやりとりをスムーズに展開できるようになるための練習です。初対面の相手であっても、緊張することなく自社サービスの魅力を伝え、成約につなげられるようになります。
営業ロープレを活用できるビジネスシーン
営業ロープレは、以下のようなさまざまなビジネスシーンで活用できます。
- テレアポ:テレアポは、自社サービスについて顧客に初めて知ってもらえる機会です。営業ロープレを行うと、潜在顧客に興味を持ってもらえるような会話術を習得できます。
- 提案営業:提案営業は、相手にアポを取ったうえで顧客の課題を解決するために行う営業方法です。営業ロープレにより、価格交渉や条件の調整などサービス提案後の会話方法を学べます。
- クロージング:クロージングは、商談後に顧客が契約するかどうかを決める重要なフェーズです。営業ロープレを行うことで、最終的な判断を下す顧客へのサポート術を身に付けられます。
営業ロープレを実施するメリット
営業ロープレを行うと、以下のメリットを得られます。
- 課題を明確化できる
- 商品やサービスをよく理解できる
- 効率的に必要なスキルを習得できる
- 営業成功のノウハウを習得できる
ロールプレイングによるそれぞれのメリットについて、解説します。
課題を明確化できる
営業ロープレを行うと、商談における個人の課題が明確になります。営業トーク練習は独学や集団研修でも行えますが、客観的かつ個別的なアドバイスは受けられません。
営業ロープレでは、対象者一人ひとりに合わせた指導が可能です。客観的なアドバイスができるため、本人が気付けなかった課題を見つけ克服するチャンスとなります。
商品やサービスをよく理解できる
営業ロープレは、自社商品やサービスをよく理解するきっかけにもなります。商品知識は座学でインプットできますが、より体系的に理解を深めるにはアウトプットが欠かせません。
営業ロープレを行うと、自社サービスについて自分の言葉での説明が求められます。インプットのみでは気付けなかった商品の強みに気づき、顧客へよりよい説明ができるようになります。
効率的に必要なスキルを習得できる
営業ロープレは個人ないし少人数で行われるため、必要なスキルを効果的に習得できます。集団研修ではおおよその知識を身につけられますが、個人での実践スキルの習得にはあまり向いていません。
ロールプレイングは少人数で集中的に行うメソッドであるため、個人に足りない部分をピンポイントで補強できます。集団研修によりおおまかな知識体系を理解してから、営業ロープレで具体的なスキルを磨くという流れが効果的です。
営業成功のノウハウを習得できる
営業ロープレは、商談成功のノウハウを効率的に習得できる方法です。営業ロープレの相手役となるのは、商談の経験が豊富でさまざまな顧客パターンを熟知する上司です。
顧客にありうる質問のパターンから切り返し方法まで、その道のプロから細かく学べます。営業トークの基礎から応用までを一貫して習得できるため、対応力の向上が期待できます。
営業ロープレを実施するデメリット
営業ロープレを行うにあたり、気をつけたいポイントがあります。
- 緊張感に欠ける可能性がある
- 内容や実施形式を工夫する必要がある
それぞれについて、解説します。
緊張感に欠ける可能性がある
営業ロープレは身内同士で行うため、意識しないと緊張感が欠けてしまいます。リラックスした状態で研修を行うのはよいものの、あまりにも砕けた雰囲気ではロープレの意味がありません。
営業ロープレを行う時間だけは、普段の気の知れた関係から一度離れてプロフェッショナルな姿勢で臨みましょう。また、身だしなみや言葉遣いなどを本番に近づけると、引き締まった雰囲気で実施できます。
内容や実施形式を工夫する必要がある
営業ロープレは、回を重ねるごとに内容や形式を変えながら行うようにしましょう。実施形式がいつも同じだと、対象者は慣れてしまい新たな課題発見につながりません。
対象者がベーシックな商談方法に慣れてきたら「急いでいる顧客」「固い雰囲気の取引先」などパターンを変えて実施するのがオススメです。リアルな設定に基づき行うと、実践の場でより活きるスキルを身につけられます。
営業ロープレの種類
営業ロープレには、人数や形式などによってさまざまな種類があります。
- 問題解決型
- グループ型
- モデリング型
- ケース型
それぞれのロールプレイング方法について、解説します。
問題解決型
問題解決型ロープレは、過去にあった事例や営業担当がよく遭遇する状況をテーマに用います。基本的な状況から複雑な事例までを題材にできるため、新入社員だけでなくベテラン社員の研修にもオススメです。
実際に起こりうる状況をテーマにするため、いざというときの判断力を養うことができます。
グループ型
グループ型ロープレとは、複数人で営業役と顧客役を交代しながら行う手法です。一般的なロープレはマンツーマン形式が多く、一方の役しか経験できません。
グループ型では営業担当者と顧客の両者を体験できるため、それぞれに特有の視点を理解するのに役立ちます。
モデリング型
モデリング型ロープレとは、優秀なスタッフや経験豊富な上司の営業トークを模倣する手法です。営業でスムーズに成果を挙げたいなら、オリジナリティを出すよりも上手な人の真似をするほうが効果的といわれています。
成績のよいスタッフの営業トークを覚え込むことで、顧客に刺さるキーワードや切り返しを体で覚えることができます。
ケース型
ケース型ロープレとは、シーンを細く設定して練習する手法です。実際の営業の現場では、ロープレ通りのやりとりができる顧客ばかりとは限りません。
「価格交渉」「クレーム対応」「大口注文」などといった、イレギュラーなパターンの対応力を身につけるのにオススメです。営業の基本を身につけ、応用編に挑戦したい対象者に向いています。
営業ロープレの進め方|4ステップ
ここからは、営業ロープレの進め方について理解しましょう。営業ロープレは、以下の4ステップから成り立ちます。
- 状況を設定する
- 役割を決める
- 事前調査や資料作成を行なう
- ロープレを実施しフィードバックを行う
状況を設定する
実際の商談シーンを想定して、営業ロープレの状況を決めます。営業ロープレの状況は、以下の内容をもとに決めましょう。
- 顧客のペルソナ(年齢、性別、職業、家族構成など)
- 課題(新規顧客、製品のアップグレードなど)
- 条件(顧客の予算、サポート期間など)
対象者が初心者の場合はベーシックなシーンを、慣れてきた社員であれば成約に至らなかったケースの再現などを取り入れてもよいでしょう。
役割を決める
営業ロープレを始めるにあたり、営業担当者役と顧客役を決めましょう。ロールプレイングは、二人一組で役を交代しながら行うと新たな視点の獲得につながります。さらに、ロールプレイングの評価者を一人つけると、客観的なフィードバックを受けられます。
事前準備や資料作成を行なう
営業ロープレを行うにあたり、資料作成や日程調整などの準備も本番のように行いましょう。営業担当者は、商談当日に用いる資料を顧客のペルソナに合わせて作成します。日程調整のメールや電話のやりとりも合わせて練習しておけば、実際の商談により近いロープレが可能です。
ロープレを実施しフィードバックを行う
営業ロープレを実施し、以下の観点をもとにフィードバックを行いましょう。
- 言葉遣い
- サービスの理解度
- 話のわかりやすさ
- 表情や仕草
フィードバックの項目は、あらかじめ作っておくと漏れのないアドバイスが可能です。ほかにも、よかった点や改善点を伝え、次に活かせるフィードバックを目指します。
営業ロープレを効果的に実施するためのポイント
営業ロープレをさらに効果的に行うために、以下のポイントを押さえましょう。
- 定期的に実施する
- ロープレの様子を撮影する
- 現場で活用できたか確認する
定期的に実施する
営業ロープレ研修は、一度で終わらず定期的に実施するのがオススメです。とくに、新入社員の場合は、自信を持って一人で商談を行えるようになるまである程度時間がかかります。フィードバック事項をクリアできるまで、3回ほど行うと本人の自信にもつながります。
新入社員以外でも、難しいケースに遭遇した都度振り返りとしてロープレを行ってもよいでしょう。いつでも、誰でもロープレを行えるように、研修会として定期的に開催するのも方法の一つです。
ロープレの様子を撮影する
ロープレは撮影しながら行うと、後から振り返る際に自己を客観的に見つめることができます。話す速度や身振り手振り、表情などは自分で気づくのが難しい要素です。
ロープレの様子を撮影すると、自分では気づけない無意識の癖がわかります。気づいた癖を意識的に直すことで、商談全体のクオリティがアップするでしょう。
現場で活用できたか確認する
営業ロープレ後に商談を行った人には、忘れないうちに振り返りをするよう促しましょう。練習時点では上手に振る舞えた人でも、実際の商談では思ったようにいかない場合があります。
よかった点や改善点、不足しているスキルなどを考えさせ、次の商談に反映できるようサポートしましょう。
営業ロープレの失敗例
営業ロープレ研修を実施するにあたり、気をつけたいポイントがあります。
- 欠点探しのロープレ
- 回数をこなすこと目的としたロープレ
一回一回の研修が意味のあるものになるよう、失敗例を参考にしましょう。
欠点探しのロープレ
とくに、新入社員のロープレを行う際は欠点に目が向きがちですが、よかった点も必ず伝えるようにしましょう。営業ロープレは商談スキルの向上が目的ですが、同じくらい重要なのは自信を持って営業できるようになることです。
対象者が自分の強みに気づけるよう、フィードバックの際は改善点だけでなく上手な点も一緒に伝えるようにしましょう。
回数をこなすこと目的としたロープレ
回数をこなすのは悪いことではありませんが、数のクリアだけを目的としないようにしましょう。商談に慣れるには、ある程度回数をこなす必要があります。しかし、やみくもに何度も行うだけのロープレ研修は効果的ではありません。
時間をかけて行う練習なので、一回一回のロープレに目的意識を持つほうが効果的です。「初回は全体を把握するため」「2度目はトークを意識」「3度目は表情にも気をつけて」と、対象者とともに回ごとの目標を設定しましょう。
営業ロープレ研修を効果的に行おう
営業ロープレ研修は、ポイントを押さえるだけで成果の出やすい内容となります。自社サービスや顧客の特徴に合わせて、より効果的な営業ロープレ研修を設計しましょう。
営業のロープレにはAIツールがオススメ
オンラインでもオフラインでも、AIが録画・文字起こしをしてくれる営業支援・人材育成AIツール「ACES Meet」。
このツールは、商談やミーティング中の様子を録画、AIが自動で文字起こし、議事録の作成まで行います。また、話しているスピードや内容などをAIが解析し、どんなトピックにどれくらい時間を使ったのか、重要な箇所はどこなのかを分かりやすく表示します。
この記録を見ることで、振り返りやナレッジの蓄積、タスクの抜け漏れ防止にもなります。また、トッププレイヤーの録画映像は、生きた教材となり、良質なロープレの素材となるでしょう。
まずは情報収集として、お気軽に資料をダウンロードしてみてください。