SaaSとは?PaaSやIaaSとの違いやSaaSの代表例も解説
更新日:2024年03月11日
公開日:2024年01月31日
SaaSはネット上で使用できるソフトウェアのことで、近頃はWeb会議ツールやコミュニケーションツールなど、さまざまなツールが登場しています。SaaSのサービスやメリットを理解し、自社の経営活動に役立ててみてはいかがでしょうか。
この記事では、SaaSや似ている言葉との違い、ツールの代表例などについて解説します。
目次
SaaS(サース)とは?
SaaS(Software as a Service)とは、インターネット経由で利用できるソフトウェアを指します。読み方は多くの場合「サース」もしくは「サーズ」です。SaaSの身近な例としては、以下のサービスが挙げられます。
- Microsoft 365
- Gmail
- Zoom
- Slack
これまでのソフトウェアは、CD-ROMやWeb上でダウンロードをしてPCに取り込み、インストールして使用する形が一般的でした。一方、SaaSはクラウドサービス提供者がソフトウェアを運用し、ユーザーがインターネットを通じてアクセスするシステムとなっています。サービスによってはアカウント登録によりすぐに使用できたり、無料で使えたりするため使い勝手のよさが特徴です。
SaaSのサービスにはさまざまな種類があり、メールソフトから基幹業務システムまで多岐にわたります。経営活動を効果的に行うための手段として、SaaSへの理解をさらに深めていきましょう。
SaaS・PaaS・IaaSとの違いは?
SaaSに似ている言葉にPaaSとIaaSがありますが、それぞれは異なる意味を持ちます。以下の表に、SaaS・PaaS・IaaSの違いをまとめました。
名前 | 特徴 | サービス例 |
---|---|---|
IaaS(イアース) | インターネット上でネットワークやサーバーを利用できるサービス | Amazon Web Services (AWS)Microsoft Azure |
PaaS(パース) | IaaSに加えて、アプリケーション実行に必要なOSやミドルウェアを提供するサービス | HerokuGoogle App Engine |
SaaS(サース) | IaaSやPaaSに加えて、ソフトウェアを提供するサービス | Google WorkspaceMicrosoft Office 365 |
SaaS・PaaS・IaaSはクラウドサービスを構成する要素という点では共通していますが、ソフトウェア内で働く部分が異なります。SaaSはソフトウェア自体を指すのに対し、IaaSやSaaSはソフトウェアを動かすための基礎部分のことです。そのため、IaaSやSaaSの主なユーザーは、ソフトウェア開発者やIT部門担当者などとなります。
SaaSのメリット
SaaSの役割を理解し、具体的な活用メリットについても知りたくなった人は多いでしょう。従来のソフトウェアと比較すると、利便性が高くコストパフォーマンスにも優れている点を理解しましょう。
場所やデバイスを問わず利用可能
SaaSは、インターネット環境さえあれば場所やデバイスに関係なく利用できます。従来のソフトウェアのように、PC単位ではなくアカウント単位でのアクセスが可能です。
そのため、インターネットがあれば、出先や自宅からでも会社と同じソフトウェアにアクセスし業務を行えます。どこからでもアクセスできるため、出勤せずにテレワークを行う従業員や、個人で働くフリーランスにも最適な手段です。なお、SaaSは一度に複数の人がアクセスできるため、共同作業にも向いています。
導入コストが安い
SaaSは、従来のソフトウェアのようにシステム構築やパッケージ購入が不要なため、導入コスト削減にもつなげられます。SaaSにはインストール作業やアカウント登録のみで使用できるソフトウェアも多く、手間と時間の節約が可能です。
また、ハードウェアの購入やメンテナンスコストも必要ないため、初期投資を最小限に抑えられます。導入の手軽さやコストの安さから、特にスタートアップや中小企業にメリットの大きい手段です。
ランニングコストが安い
SaaSでは保守管理をサービス提供者が行うため、ランニングコストの削減や企業負担の軽減につながります。従来のソフトウェアは、トラブル対応などを自社で行う必要がありました。一方、SaaSはトラブル発生時の対応もサービス提供者が行うため、企業内部でリソースを割く必要がありません。
さらに、サービスは常に最新状態に保たれアップデートの必要がないため、時間と労力の節約にも貢献します。ランニングコストが安いため、特にIT部門の人件費や作業時間のカットが可能です。
必要な機能を選べる
SaaSでは、自社に必要な機能だけが備わったパッケージを選択できます。従来のソフトウェアは一括購入が基本であったため、使わない機能が含まれていることも珍しくありませんでした。
SaaSは必要な機能(プラン)を選べることも多く、企業は無駄なオプションに対するコストを支払わなくて済みます。また、SaaSには無料サービスも多く、トライアル利用からスタートし、徐々に機能を追加することも可能でしょう。ビジネスの成長に合わせてサービスを拡張できるため、柔軟にコスト管理を行えます。
SaaSのデメリット
SaaSの活用を検討するにあたり、前もって知っておきたいデメリットがあることも事実です。トラブル発生時の柔軟性に欠ける点や、カスタマイズが難しい点を理解しましょう。
セキュリティ面の対策が必要
SaaSのソフトウェアはインターネット経由で提供されるため、セキュリティ面への懸念が残ります。インターネットを介して提供されるサービスである以上、データの盗用やフィッシング詐欺などのリスクは避けられません。SaaSの導入を考える場合、サービス提供者が実施しているセキュリティ対策を確認する必要があります。
具体的には、国際的なセキュリティ基準であるISO認証を取得しているかのチェックが有効です。また、データ暗号化、アクセス管理、定期的なセキュリティ監査など、独自の対策が実施されているかも確認しておきましょう。
カスタマイズ性が低いサービスもある
SaaSは従来のソフトウェアに比べると、カスタマイズ性が低い場合があることも事実です。SaaSの機能はすべてサービス提供者によって供給されるため、それ以上のカスタマイズを自分で行うことはできません。たとえば、SaaSのソフトウェアを使用する従業員からインターフェースの変更希望があったとしても、対応が難しい場合がほとんどです。
業界特有の要件や特殊なビジネスニーズがある場合、サービスが自社に合っているかを慎重に検討する必要があります。
障害・メンテナンス時には利用制限がかかる
SaaSはサービス提供者の管理下にあるため、通信障害やメンテナンスの際には利用できなくなる可能性があります。通信障害やメンテナンスは予期せぬタイミングで発生するため、ユーザー側でのコントロールができません。トラブル発生時はサービス提供者が対処してくれるものの、その間は作業ができなくなる場合があります。
SaaS導入を検討する際は、緊急時の代替ワークフローを用意しておくのが得策でしょう。
SaaSサービスの代表例
SaaSへの理解をより深めるには、ソフトウェアサービスの代表例を知ることが有効です。中には自社課題を解決できるソフトがあるかもしれないので、それぞれのツールの利便性を理解しましょう。
議事録ツール
議事録ツールとは、会議音声をAIによりテキスト化し、議事資料をスムーズに作成できるツールです。議事録ツールの代表例として、以下のサービスが挙げられます。
- ACES Meet
- AI GIJIROKU
- AmiVoice®ScribeAssist
今までの議事録作成は、録音データを聞きながら文字起こしを行う必要があり、膨大な作業時間を要しました。議事録自動作成ツールを使うと、会議音声を自動でテキスト化してくれるため、文字起こしの手間が省けます。音声読み取りの精度はAIの進歩により年々向上しているため、膨大な量の手直しをする必要もありません。
参考:ACES Meet「AIが議事録を自動作成 商談に集中、成約へ直結」
ビジネスチャット
ビジネスチャットは、インターネット上で企業メンバーとのやりとりをスムーズに行えるツールです。ビジネスチャットの代表例として、以下のサービスが挙げられます。
- Slack
- Chatwork
- Microsoft Teams
ビジネスチャットはメールソフトや社内掲示板とは異なり、社外メンバーの招待も可能です。協賛企業や委託先などとも、リアルタイムでストレスフリーなやりとりができるようになります。メールの定型文省略やスタンプ機能による承認など、コミュニケーションのシームレス化が可能です。
Web会議システム
Web会議システムとは、映像と音声によりビデオ通話ができる会議ツールのことです。Web会議システムの代表例として、以下のサービスが挙げられます。
- Zoom
- Microsoft Teams
- Google Meet
1対1のミーティングから複数人の会議まで、フレキシブルに開催が可能です。インターネット環境があればどこにいても会議ができるため、出張コストを抑えることもできます。なお、用途は会議だけにとどまらず、顧客営業や病院でのWeb面会にも応用可能なツールです。
タスク管理ツール
タスク管理ツールとは、ToDoを作成しメンバー全員で共有できるサービスのことです。タスク管理ツールの代表例として、以下のサービスが挙げられます。
- Backlog
- Asana
- Trello
タスクの進み具合を視覚的に把握できるため、業務効率アップが可能です。また、メンバー個人の予定をチーム全体で把握できるため、タスクの分配を行う際にも役立ちます。どこからでもアクセスできるため、テレワーク導入予定の企業や委託先との連携が求められる場合にもオススメです。
ERP
ERP(Enterprise Resources Planning)とは、経営や資源に関する情報の管理に役立つ基幹業務システムです。ERPの代表例として、以下のサービスが挙げられます。
- SAP S/4HANA
- SuperStream-NX
- NetSuite
これまでの基幹業務システムは、会計処理や生産、販売など、分野ごとの連携機能が十分ではありませんでした。しかし、ERPは企業内資源の一元管理に特化しており、経営の合理化が可能です。管理業務がスムーズ化し、ほしい情報をいつでもすぐに引き出せる点が大きな特徴といえるでしょう。
SFA・CRM
SFA(Sales Force Automation)やCRM(Customer Relationship Management)とは、営業プロセスの効率化に役立つサービスです。それぞれの代表例として、以下のサービスが挙げられます。
- Microsoft Dynamics 365
- Salesforce Sales Cloud
- kintone
SFAは主に顧客情報管理、CRMは顧客情報をもとにした販促戦略策定ツールです。両者を効果的に活用すると、顧客ニーズの把握やコミュニケーションの強化に役立ちます。顧客への理解をさらに深め、よりニーズに合致したサービス提供につなげられるツールです。
勤怠・採用管理ツール
勤怠管理ツールはオンライン上での出勤や退勤時間の打刻、採用管理ツールは採用における業務を一元化できるツールです。勤怠・採用管理ツールの代表例として、以下のサービスが挙げられます。
- ジョブカン勤怠管理
- 勤革時
- ジョブスイートキャリア
コロナ禍を機にテレワークが推進されるようになり、勤怠管理もウェブ上で行われる必要が出てきました。勤怠管理ツールを使用すると、出退勤時間の打刻だけでなく休暇申請などもウェブ上から行えます。
また、採用管理ツールを使用すると、応募の受付から採用までの流れの一元管理が可能です。1つのツールで作業が完結するため、応募者とのやりとりや面接日程などの行き違い防止にもつながります。
SaaSの特徴を理解し経営活動に役立てよう
SaaSは導入コストが安いうえメンテナンスの手間がかからないため、経営管理に活用する企業が増えています。ただし、機能のカスタマイズが難しい場合もあるため、使い心地が自社に合うかどうかの慎重な吟味が必要です。
SaaSの特徴や自社にマッチしそうなサービスを知り、効率的な経営活動に役立てましょう。
AI SaaSで商談やミーティングの効率化を
オンラインでも、オフラインでもAIが議事録を自動作成してくれる営業支援AIツール「ACES Meet」。
商談中の様子を録画して、自動でBANTCの判定や文字起こし、議事録の作成まで行えます。また、話しているスピードや内容などをAIが解析し、どんなトピックにどれくらい時間を使ったのか、重要な箇所はどこなのかを分かりやすく表示します。
この議事録や商談データを自動で作成することで、営業の負荷が下がって商談の件数を増やせるだけでなく、振り返りやナレッジの蓄積にもなります。その結果、自社独自の「勝ちパターン」を作ることができるでしょう。まずは情報収集として、お気軽に資料をダウンロードしてみてください。