Z世代を育成する際のポイント5選|Z世代の特徴や教育の失敗例も紹介
更新日:2024年09月29日
公開日:2024年09月29日
Z世代は会社の将来を担う人材であり、育成結果次第では企業の成果や成長にも影響が出ます。しかし、「Z世代の育成は難しい」「Z世代は理解できない」と指導に悩む管理者は多いのではないでしょうか。
この記事では、Z世代の特徴と育成する際のポイント、失敗しがちな教育例について解説します。Z世代の特徴をつかんで効果的に育成していきましょう。
目次
Z世代とは?
Z世代とは、1990年代半ば頃から2000年代前半頃に生まれた世代のことを指します。1965年頃から1980年頃に生まれ、バブル期に働き盛りだった世代をX世代といい、管理職はこの年代の人が多いかもしれません。
1980年頃から1990年頃に生まれ、バブル崩壊や就職氷河期を経験した世代はY世代と呼びます。Z世代はその時代背景からX世代やY世代とは大きく異なる特徴を持っているとされています。
Y世代がIT革命時に育ったのに対し、Z世代は生まれたときからインターネット環境が整っているデジタルネイティブ世代です。デジタルデバイスを生活の一部として使いこなし、SNSなども身近なため、多様な価値観を受け入れています。
世代間に価値観の大きな違いがあると、仕事上の問題につながる可能性があります。ジェネレーションギャップや離職を防止するために、Z世代の特徴をふまえた育成が必要です。
Z世代の特徴
Z世代にはそれ以前の若手とは大きく異なる特徴があるといわれます。ここではZ世代の特徴を以下の7つの要素で解説します。
承認欲求が強い
Z世代は、LINEやInstagramなどの発信型SNSに慣れ親しんでおり、発信欲求や承認欲求が強い傾向があります。「コミュニティ内で認められたい」「共感してほしい」という気持ちが強く、周囲から承認してもらうことで帰属意識を高めています。
仕事においても褒められたり、自分で考えてやった行動が承認されたりすることが必要です。それにより、職場を自分の居場所だと認識し、モチベーションを維持することにつながります。
保守的で安定志向である
Z世代は保守的な面があり、何かに挑戦して失敗するよりも、失敗回避を目指す人・安定志向の人が多いことも特徴の一つです。この傾向は、就職氷河期を経験したY世代から引き続きみられる特徴ともいえます。
安定した職場で堅実に長く働きたいと考える人が多く、挑戦してまで大きく飛躍したいとは考えません。目立つことを好まず、出世に抵抗を持つ人もいるため、昇進のための試験などには興味を持たないことがあります。
ワークライフバランスを重視する
働き方改革のさなかに就活を始めたZ世代は、バリバリ働くよりもプライベートを充実させたいと考えることも特徴の一つです。自分の希望に合った良い会社に入社したとしても、仕事最優先ではなく「仕事と家庭を両立した幸せ」を重視します。
また、仕事とプライベートを分けて考える傾向があり、プライベートに仕事関係の交流を持ち込むことを好まない面もあります。自分の望む働き方ができず、ワークライフバランスの整っていない仕事環境には魅力を感じません。
PCスキルはあまり高くない
少し先輩にあたるY世代は、主にPCを使って情報収集などを行いましたが、Z世代はスマートフォンが中心です。デジタル機器の扱いには慣れていますが、調べごとなどをすべてスマートフォンで完結させる傾向があるのもZ世代の特徴です。
情報リテラシーが高く、検索エンジンだけでなくSNSを駆使して情報を収集しますが、PC操作スキルはあまり高くありません。業務に必要なPCスキルや社内システムについては、初心者レベルから指導を始める必要があります。
多様性を理解できる
Z世代は、他の世代よりもさまざまな価値観に触れる機会が多いため、多様性を理解できることも特徴の一つです。新しい価値観を受け入れる姿勢があり、違う価値観を持つ人々とも上手に折り合いをつけることができます。
仕事や働き方に関しても多様性を求め、上司や同僚の価値観を受け入れるとともに、自分の個性も受け入れてほしいと考えます。ただし、一方的に異なる価値観を押し付けられるのはあまり好まず、固定観念にとらわれた環境は苦手です。
タイムパフォーマンスを重視する
Z世代は、いかに自分の時間を使わずにパフォーマンスを発揮できるかを気にする傾向があります。インターネットが普及し、情報があふれる環境で育ったため、必要な情報を効率よく収集することを重視するからです。
仕事においても同様で、効率的でない業務や会社の慣習・ルールなどをやりたがらない面がみられます。Z世代の考え方を尊重し、今までのやり方や慣習を押し付けないようにすることが肝心です。
競争を避け、助け合う関係性を好む
価値観の違いを受け入れ多様性を理解するZ世代は、他者と競い合うよりも協力することを好みます。目標に向かう際も、他者と協力し補い合って何かをやりとげることに達成感を得ます。
Z世代は同世代間の関係構築スキルが高いため、相手と良い関係を築くような言動が得意です。補完し合えるようなメンバーでチームを組めば、より力を発揮できる可能性があります。Z世代の持つ柔軟な考え方や、他の価値観を受け入れる特質によって、新しい発想を生み出すことも期待できます。
Z世代を育成する際のポイント5選
Z世代を育成する際は、世代の持つ特徴をふまえポイントを押さえて指導することが大切です。以下の5点を押さえると、効率良くZ世代の育成が行えるようになるでしょう。
Z世代の価値観を否定しない
育成の際は「Z世代だから」とレッテルを貼らず、その社員の価値観を一度受け入れる姿勢を持つようにしましょう。Z世代は、個人の価値観を尊重すると同時に自身の個性も認めてほしいと考えます。
レッテルを貼られると同世代をひとくくりにまとめて見られていると思い、個性を重視されていないと感じてしまいます。そのような印象を与えないように、フィードバックを行う際も、相手の価値観を否定しないように改善点を伝えることが大切です。
目的や理由を最初に伝える
Z世代は合理性を求める傾向があり、要領を得ない話や理由の分からないことを苦手に感じる場合があります。そのため、指導する際は最初にその目的や理由を伝えるようにしましょう。
具体的な目的や理由がわかると仕事への抵抗感が低くなり、傾聴してくれやすくなります。仕事を依頼する側は、任せる意義を意識し、相手が話を整理しやすくなるように伝えることが必要です。
考えを発言する機会を作る
Z世代を指導する際は、ただ教えるだけでなく、自分で考え、発言・行動させる機会を設けるようにしましょう。個性や多様な働き方を尊重するZ世代は、やり方をただ押し付けられるような指導には抵抗を覚えます。教えてもらったやり方について自分で考え、より効率的だと思う方法を見つけ行動することを好みます。
管理職は若手社員が考えた方法ややり方を否定せず、経過を見守ることが必要です。若手が自分の意見を聞いてくれないと思い込むと、やり方を押し付けられる働き方に嫌気がさすこともありえます。
個別に指導する
社員を育成する際は一人ひとりに合った指導方法をとることが大切です。Z世代は自分の個性を生かしてキャリアを築きたいと考える傾向があり、大人数に説明するだけの指導は響きません。
それぞれの個性や経験、能力を把握し適切に指導するために、メンター制度や定期的な面談の実施などを行いましょう。さまざまな社員に対応できるようなトレーニングプログラムや、個人のペースで学べる育成方法の導入が必要です。
デジタルネイティブの強みを活かす
Z世代の持つデジタルネイティブという強みを活かすと、業務を効率的に行える可能性があります。ITに詳しいZ世代が使いこなすデジタルツールや柔軟な考え方をうまく業務に取り入れるようにしましょう。
新システムの導入時にZ世代の若手を主担当にするなど、強みを活かした仕事や役割を与えると能力を引き出すことにもつながります。持っている強みや身につけた能力でどのようなキャリアが描けるのか伝えると、よりモチベーションを向上させることができるでしょう。
Z世代への教育失敗例
Z世代へ指導する際に、以下のような対応をとると逆効果になりますので注意が必要です。どのような対応が失敗につながるのか確認し、実際に指導する際に役立ててください。
感情的に怒る
Z世代がミスしたり、成果をあげられなかったりしても感情的に怒ることは控えましょう。怒られるという経験が少ないため、仕事のことであっても叱責されると萎縮してしまい、能力が発揮できなくなる可能性があります。
Z世代への指導では、失敗しても叱責せず、どうしたら良くなるのかという改善点を冷静に伝えることが大切です。成果が出たり努力したところは積極的に褒めるようにすると、Z世代の承認欲求を満たすことができ、やる気向上につながります。
親睦会などの参加を強制する
Z世代はプライベートを大切にするため、仕事と私的な時間を分けて考えます。業務時間以外の社員交流に積極的ではない人もいるため、親睦会などは自由参加にし、断りやすい環境にしましょう。
「上司の誘いは断らない」「飲み会もコミュニケーションの一つ」など管理職の価値観を押し付けないことが大切です。コミュニケーションは業務時間内で取るようにし、1対1で話したいことは面談などでフォローするとよいでしょう。
社員を放置する
Z世代はSNSで頻繁にコミュニケーションをとることが日常的であり、強い承認欲求を持っています。業務連絡などを放置・放任すると不安が生じるため、回答や承認・フォローを迅速に行うことが大切です。
また、基本的な報連相が成り立たず放置されている状態は、企業に対する不信にもつながります。管理者が迅速な対応をとれば、若手社員は企業での存在意義を確認でき、モチベーションを維持しながら働けるようになるでしょう。
参考:新入社員が放置される要因とは?3つのリスクと6つの改善方法
Z世代の特徴をふまえた指導を実施し、育成を成功させよう
Z世代をうまく育成するためには、特徴を理解し、持っているスキルを上手に引き出すことが大切です。個人のスキルや経験、成長速度は人それぞれですので、社員の成長に合わせた研修やOJTなどを実施しましょう。
会社の将来を担うZ世代は、これまでにない新たな価値観や発想を提供し、企業の成長を引っ張っていくことも期待できます。Z世代の育成を成功させ、優秀な人材の定着化を図りましょう。
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