議事録とは?意味や目的、記載項目から作成する際のコツも解説
更新日:2024年03月11日
公開日:2023年12月11日
議事録作成を任されたものの、作る目的や作成方法がわからない、という人は少なくないでしょう。議事録は、話し合いの内容をわかりやすくまとめて関係者に共有する資料です。議事録の作り方がわかると、作業がスムーズになるだけでなく読みやすい資料を目指せるでしょう。
この記事では、議事録を作成する目的や、実際の作り方をコツを交えて解説します。
目次
議事録とは?
議事録とは、会議で話し合った内容や決まった事項をまとめた資料です。作成における必要性や「レジュメ」「アジェンダ」など、類似資料との違いを知っておきましょう。
議事録の必要性と意味
議事録は会議で話し合った内容をまとめた資料ですが、作成には以下2点の目的があります。
議事録作成の主な目的
- 会議の内容を忘れないようにする
- 関係者に会議内容を共有する
会議はもともと、会社や事業の方向性を決めるために必要性を持って行われるものです。そのため議事録は、話し合った内容や成果を今後に活かすために、内容を記録しておく意味で作られます。
また、話し合われた内容を企業全体で活かすには、参加者以外にも共有する必要があります。会議に参加していない人でも決定事項がわかるように、資料として回覧できる状態にしておきましょう。
議事録・アジェンダ・レジュメ・備忘録との違い
議事録と混同されがちな文書であるアジェンダ、レジュメ、備忘録には、それぞれ異なる役割があります。文書の種類や役割、用いるタイミングを以下の表にまとめました。
文書の種類 | 文書の役割 | 用いるタイミング |
---|---|---|
アジェンダ | 会議の議題や内容をまとめた資料 | 会議前 |
レジュメ | 会議内容を要約した資料 | 会議中 |
備忘録 | 会議内容を各自メモしたもの | 会議中〜会議後 |
議事録 | 会議で話し合われた内容をまとめた資料 | 会議後 |
アジェンダはこれから行われる会議の内容をあらかじめ知らせる資料なので、用いるタイミングは会議前です。レジュメは話し合いで用いられる内容を要約した文書なので、会議中の補助資料とも捉えられます。また、備忘録は会議内容を各自聞き取って書き残したものであるため、文書よりもメモという表現が合っていそうです。
会議が終わったあとに全体のまとめとして作られる議事録とは、役割が異なることがわかるでしょう。
参考:アジェンダとは?作成例シートをもとに記載すべき項目から作成手順も解説
議事録の形式は2種類
議事録の形式には2種類あり、使い分けられることを知らない人は多いでしょう。それぞれの内容や使われる場面、どのような特徴があるかを知っておきましょう。
会話形式
会話形式とは、会議で話し合われた内容を発話者ごとの会話ベースで残す方法です。会議スタートから終了までに話し合った内容を、発話者を割り振り時系列に沿って記載します。実際の会話をそのまま議事録に用いるため、結論に至った経緯や会議中の雰囲気がよく伝わる形式です。会議の進行方法が管理されている場合や、質疑応答の多い場面で多く用いられます。
要約形式
要約形式とは、会議の全体像を掴めるように要点を中心にまとめる方法です。会議で結論に至るまでの流れの中でも、決まった事項や押さえておくべき部分に絞って要約します。話し合いの重要ポイントだけをまとめるため、読み手が短い時間で要点を掴める形式です。読みやすさに特化された形式であるため、多くの企業で採用されているスタイルでもあります。
議事録に記載すべき項目
実際に議事録を作成するには、どのような項目を盛り込めばいいか気になるところです。一般的な議事録には、6つの項目を以下の順番で記載します。
- 基本事項
- 目的や議題
- 会議の内容
- 決定事項
- 懸念事項
- 次回の予定
それぞれにどのような内容を記載すべきか、次節を読み理解しましょう。
基本事項
議事録の最初に記載すべき内容は、今回行われた会議における基本事項です。基本事項として、主に以下の4点を記載します。
- 会議名
- 開催日時
- 開催場所
- 出席者名
議事録は会議を開催した分だけ増えていくので、基本事項が記されていないといつのどの資料なのかがわかりにくいものです。どのような目的の会議が、いつどこで誰によって開催されたのかを記載しておくと、あとから見返す際にわかりやすい議事録となります。
目的や議題
会議の議題や行った目的について記載し、何について話し合ったのかを端的に記載します。目的や議題の例は、以下のとおりです。
- 先月の反省
- 製品開発の決定について
- プレスリリース公開日について
- ○○プロジェクトのキックオフミーティング
議事録の読み手側としては、目的や議題が記されていると議事録の全体像を把握しやすいというメリットがあります。議事録の作成者側としても、目的を明確に記載しておくと文書作成がスムーズになるでしょう。
会議の内容
会議で話し合った内容を、メモをもとに会話形式もしくは要約形式を用いて記載します。要約形式の場合、記載したい事項や文書の流れは以下のとおりです。
要約形式の場合
- (必要であれば)前回の振り返り
- 今回の議題についての課題
- 結論
あくまでも内容の要約になるため、各事項の内容は箇条書きにすると見やすい議事録になります。会話形式の場合は、会議開始から終わりまでの対話内容を文字に起こせば完成です。
なお、会話形式の場合、あらかじめミーティングを録音する準備をしておくと、メモに追われず会議に集中できます。
決定事項
会議で決定した内容を、箇条書きを用いて簡潔に記載します。理由と結論を端的にまとめ、読み手の情報の理解がスムーズになるような書き方を心がけましょう。今回は会議内容のあとに決定事項を記載するよう紹介していますが、議事録テンプレートによっては逆の場合もあります。決定事項を最初に記載し、忙しい読者にとって議事録の全体像を把握しやすくする狙いです。
懸念事項
今回の会議で決めきれなかった内容や検討が必要な点は、懸念事項として記載し次回以降の開催に役立てます。会議時間が足りず解決できない内容が生じたり、話し合いの中でほかの重要事項が出てきたりすることは少なくありません。会議中に決定しきれなかった内容は懸念事項と題して記し、次の開催で触れられるよう整理しておきましょう。懸念事項の欄を設けておくと、会議に参加しなかった人も次回開催時の目的意識を持ちやすくなります。
次回の予定
次回もミーティングが必要な場合は、次の日程について会議中にメンバーと話し合っておきます。会議中に次回の予定を立てておくと、あとからメンバーに対し出席確認をとる手間が省けるため効率的です。会議中に出席者全員で次回の日時や場所を共有し、決まった内容を議事録に記載しましょう。
議事録作成する際の5つのコツ
議事録を作成するにあたって、よりスムーズになるコツがあれば知っておきたいところです。資料の読みやすさにも気を配り、多くの人に読んでもらえる議事録作成を目指しましょう。
フォーマットを固定する
前章で解説したように、議事録に書く内容を決めてフォーマット化し情報を整理します。特に、会議が次回以降も開催される場合、形式にまとまりがないとあとから見返すときに不便です。
議事録として書き残しておくことをフォーマット化し、次回以降も使用すると情報の質を保てます。議事録のフォーマット化は資料としての見た目も整うので、書類整理にも役立つでしょう。
箇条書きでまとめる
議題や会議内容、決定事項や懸念事項は箇条書きでまとめ、読みやすい議事録作成を目指します。内容の正確さや情報の豊富さにこだわると、文章が長くなりまとめにくいものです。
議事録では要点を一文の短い箇条書きに収めつつ、冗長な表現を避けるよう心がけます。ポイントを端的にまとめると、伝えたいことをストレートに表現でき読み手に優しい議事録となるでしょう。
発言者を明確にする
特に、会話形式の議事録では、誰の発言なのか明確な記述が必要です。
たとえば、発言者が自社の参加者なのか、クライアントなのかで言葉の意味合いが大きく異なります。発言内容の正確な記述も大事ですが、話者を明確に記載できるよう会議中にメモや録音をしましょう。
発言者の名前だけでなく、役職や肩書きなども記しておくと誰が見てもわかりやすい議事録となります。
結論ベースで記載する
会議内容を記述する際、読みやすさのために結論を先に述べてから詳細を書くという流れを意識します。以下は「議事録作成のポイントを押さえて書き直しする」を結論にした場合の例文です。
例文・修正前
- 理由:今回初めて議事録作成をしてみたものの、上司から要点がわかりにくいと指摘された
- 結論:そのため、議事録作成のポイントを調べながら作成し直すことにした
例文・修正後
- 結論:議事録作成のポイントを押さえてから、資料を作成し直すことにした
- 理由:なぜなら、今回初めて議事録を作成してみたものの、上司から要点がわかりにくいと指摘されたからだ
修正後のように結論を先に記述したほうが、あとの文章への理解度が深まります。読み手が忙しい場合でも、議事録の要点をスムーズに伝えることが可能です。
不明点は会議中に解決しておく
話し合いでの不明点やわからない言葉は、あとから質問するのではなくなるべく会議中に解決しておきます。特に、新入社員や慣れない会議への代理出席者は、不明点が出てくることは少なくありません。議事録作成をスムーズに進めるには、わからないことをその場で聞き解決しておくのがオススメです。会議中に質問しにくい場合は、不明部分をメモしておき終了後に速やかに確認しましょう。
フレームワークを活用する
「会社に議事録のフォーマットがない」「既存の様式では内容が物足りない」という場合、フレームワークを活用して議事録様式を自己作成するのもよいでしょう。以下は、議事録作成で使えるフレームワークの例です。
フレームワーク名 | 内容 |
---|---|
5W1H | 5つのWと1つのHに答える形式。網羅すると読み手に情報が伝わりやすい内容になる。When:いつWhere:どこでWho:だれがWhat:何をWhy:なぜHow:どのように |
FOCEP | 会議中の発言を重要度の高い順番(F、P、C、E、O)で記載する形式。事実や計画は最も重要度が高く、意見は主観や感想が含まれがちなため低い。Fact:事実Plan:計画Cause:原因Evaluation:評価Opinion:意見 |
CREC | 結論から文章を構成し、伝えたいことを整理できる。Conclusion:結論Reason:根拠Example:事例Conclusion:結論 |
ロジックツリー | 問題を複数の要素に分解し、解決策を導く方法。たとえば「残業が多い」という課題に対して、原因を「業務量が多い」「作業が複雑」「人手不足」などと挙げ、それぞれの解決策を考える。図に落とし込むとわかりやすい。 |
議事録自動作成ツールを活用するメリット
議事録自動作成ツールとは、議事録をAIが自動で作ってくれるサービスです。議事録自動作成ツールを活用すると、以下のようなメリットがあります。
- 会議内容をリアルタイムで文字起こしできる
- 発話者を認識するためあとから名前を振る必要がない
- 議事録フォーマットが豊富
- 文章の要約やToDoリスト作成も自動
議事録作成の時間がとれない人や、自分で作る自信がない人にオススメのツールです。次節から、実際に利用できるオススメ議事録自動作成ツールを5つ紹介します。
ACES Meet|AIが議事録を自動作成、商談に集中でき成果を最大化!
こんな企業にオススメ!
- 文字起こしの精度にこだわりたい
- オンライン・オフラインのどちらでも使いたい
- 営業のスキルアップにつなげたい
- セキュリティ面にもこだわりたい
- さまざまなツールと連携したい
ACES Meetは、会議やオンライン商談の録画から書き起こし、議事録作成ができるツールです。AIが自動で解析・要約し、できた議事録はすぐに社内共有が可能です。
ZOOM、Google Meet、Microsoft Teamsといった主要なオンラインMTGツールと連携ができ、リアルタイムでテキスト化します。オンラインによる会議や商談の機会が増えている昨今では、汎用性の高いツール選びは重要なポイントと言えるでしょう。
また、特に注目したいのは、会議の内容から重要ポイントを抽出したり、主要なトピックの比率などから自動で分析してくれる機能です。話し言葉や表情、抑揚までを解析対象とするため、細かなニュアンスも逃さず記録できますので、顧客情報としても利用が期待できます。
日本語音声認識においては、従来のアルゴリズムを超える精度を実現。その結果、AIまとめ機能や解析、高度な絞り込み機能により、商談内容をすぐに振り返ることができます。
議事録作成の効率化だけでなく、営業支援にも活用できるAIツールですので、営業部門の強化を考えている企業には特にオススメです。
AI GIJIROKU
こんな企業にオススメ!
- 海外顧客や外国支社とのやりとりがある
- 音声認識精度にこだわりたい
AI GIJIROKUは、株式会社オルツが提供する議事録自動作成ツールです。ZoomやSkype、Microsoft Teams、Google Meetなど、さまざまなオンライン会議ツールの議事録作成ができます。また、リアルタイム翻訳は30ヶ国語に対応しているため、世界各国のメンバーと日本語を通して会話が可能です。音声認識精度は99.8%であり、出席できないメンバーに対してもミーティングの内容でも正しく伝えられます。
利用料金は年間・月々のどちらでも選べるため、使用感を試してみたい企業にもオススメです。
AmiVoice®ScribeAssist
こんな企業にオススメ!
- 専門用語や方言などの認識にこだわりたい
- 幅広い層とのコミュニケーションを想定している
AmiVoice®ScribeAssistは、株式会社アドバンスト・メディアが提供する議事録自動作成ツールです。音声認識に優れており、過去の議事録や会議データを用いて単語を認識します。業界特有の専門用語が使われるミーティングや、方言の認識が必要なケースでの活躍が可能です。ポップアップ字幕機能を使えば、聴覚に障がいがあるクライアントとのコミュニケーションもスムーズに行えます。
会議準備から議事録作成までをワンストップで行えるため、効率アップやスピード重視の企業にもオススメです。
AutoMemo
こんな企業にオススメ!
- ウェブ会議だけでなく対面でのミーティングでも使用したい
- 録音データをWi-Fiだけでパソコンへ送りたい
AutoMemoは、株式会社アドバンスト・メディアが提供する議事録自動作成ツールです。手のひらサイズのボイスレコーダーシリーズで、ウェブ会議のみならず対面ミーティングでも使用できます。録音したデータはWi-Fiでパソコンに飛ばせるため、インターネット環境がなくても問題ありません。
AutoMemoの利用には、買い切りのボイスレコーダーと文字起こしサービス料が必要です。文字起こしサービスは月額プランなら初月無料で利用可能なので、まずは使用感を試したい人にも向いています。
スマート書記
こんな企業にオススメ!
- 文字起こし精度にこだわりたい
- 議事録自動作成ツールのさまざまな機能を使いたい
スマート書記は、エピックベース株式会社が提供する議事録自動作成ツールです。会議音声の録音から議事録作成、メール共有まで、ミーティングにおけるすべてのタスクを完了できます。AIによる文字起こしの精度は90%以上を誇るため、手直しの労力を最小限にとどめることが可能です。さらに用語登録やフィラー除去機能がついているため、設定によっては文字起こし精度をさらに高められます。
料金は月々10,000円から利用人数によって変わるため、気になる人は一度見積もりを出してもらいましょう。
作り方を理解し読まれる議事録を目指そう
議事録は、会議参加者の活動をまとめた貴重な資料です。参加しなかった人にも話し合った内容がよく伝わるようにするには、書くべき内容や読んでもらう方法を知っておく必要があります。一つひとつの会議を意味のあるものにできるよう、議事録作成方法を理解しわかりやすい資料を目指しましょう。
議事録の自動作成なら「ACES Meet」
営業支援AIツール「ACES Meet」をご利用いただくと、商談中の様子を録画して自動で文字起こしをし、議事録の作成まで自動で行えます。また、話しているスピードや内容などをAIが解析し、どんなトピックにどれくらい時間を使ったのか・重要な箇所はどこなのかを分かりやすく表示します。
この議事録や商談データを自動で作成することで、営業の負荷が下がって商談の件数を増やせるだけでなく、振り返りやナレッジの蓄積にもなります。その結果、自社独自の「勝ちパターン」を作ることができるでしょう。まずはお気軽に資料をダウンロードしてみてください。