GPTs(ジーピーティーズ)とは?特徴や使い方、注意点を解説
更新日:2024年03月11日
公開日:2024年01月26日
2023年に大きな話題となった「Chat GPT」、実際に試してみたという人も多いのではないでしょうか。2023年11月には、オリジナルなチャットボットを作れる「GPTs(ジーピーティーズ)」という新機能がリリースされ、ますますAIを便利に使うことができるようになりました。
この記事では、GPTsの概要・特徴から、GPTの作り方、注意点などを解説していきます。GPTsへの理解を深めて、日常業務にも役立つチャットボットを作成してみませんか。
目次
GPTs(ジーピーティーズ)とは?
GPTsとは、Chat GPTを特定の目的に合わせて自分好みにカスタマイズできるサービスです。ユーザーが目的に従って、指示や知識を追加したり、スキルなどを組み合わせて利用します。
GPTsの最大の特徴は、プログラムやコーディングの知識がなくても誰でも簡単にオリジナルなGPTを構築できることです。どのようなものを作りたいのか言葉で伝えるだけで、さほど時間もかからず目的に合ったGPTが完成します。
オプションとしてウェブ検索、画像生成、外部APIの呼び出し、コード実行などが利用可能です。GPTsは汎用性や応用性が高く、出来上がったGPTは他の人とも共有できます。
これまでのChat GPTでは物足りなかったという人は、自ら自由な発想で開発したり、すでに出来上がった目的別のGPTを検索し、使用することができます。
GPTsの料金
GPTsは、Chat GPTの無料版では使えないため、有料版の登録が必要です。Chat GPTの有料版には個人向けの「Chat GPT Plus」、チーム向けの「Chat GPT Team」、企業向けの「Chat GPT Enterprise」の3種類があります。
個人向けのChat GPT Plusの料金は、月額20ドル(カード払い)で、GPTsを使う場合も、有料版の利用料以外の費用はかかりません。GPTsで作成されたオリジナルGPTはGPT Storeで検索や共有できますが、こちらも有料版の登録者のみが利用できるようになっています。
参考:ChatGPT(チャットGPT)の無料版と有料版の違い9選
GPTsの特徴3選
GPTsの主な特徴として、以下の3つがあげられます。
ノーコードで開発できる
GPTsの最大の特徴は、プログラミング要らずな点。ノーコードで自分好みのチャットボットを開発できることです。GPTのチャットの質問にテキストを入力していくだけで簡単に作成作業が完了します。ファイルをアップロードすると、その内容を組み込んだチャットボットを作ることも可能です。
これまでよりも手軽にChat GPTの機能を搭載したツールの開発が可能になり、開発にかかる費用や時間が削減できます。また、開発できる知識や技術を持った人材も不要となるため、人件費もカットできます。
APIで外部ツールと連携できる
Custom Actionsという機能を使うと、外部のデータをAPIが呼び出して、データを取得することができるようになります。たとえば、カレンダーやビジネスチャットと連携させると秘書機能を持つチャットボットを作成することもできます。
また、GoogleスプレッドシートのデータをGPTsで作ったチャットボットに読み込ませて動かすことも可能です。さまざまなツールと連携できるので、日常業務に役立つツールの作成が簡単にできます。さらに、限定された正確な情報のみの知識で回答するよう指示できるため、Chat GPTが事実と異なる回答をする可能性が軽減されるのもメリットです。
作ったGPTはGPT Storeで公開できる
GPT Storeとは、ユーザーが作ったChat GPTを公開、共有、検索できるプラットフォームです。Chat GPTの開発元であるOpenAIが2024年に提供を開始しました。このストアを通じて自分がGPTsで作ったボットを公開したり、収益化することも可能です。
すでにGPT Storeには300万件以上のオリジナルGPTが登録されており、カテゴリーごとに検索したり、自由に選択してシェアできるようになっています。今後、GPTsの収益化プランが開始されれば、利用人数に応じて報酬が発生するようになる予定です。
また、GPT Storeではビルダー同士がコミュニティを作って学び合うことができる機能も装備されています。GPT Storeへは、Chat GPT有料版のアカウントでログインし、左のサイドバーの「Explore GPTs」をクリックするとアクセスできます。
参考:OpenAI、「GPT Store」をスタート|収益化プログラムも開始予定
GPTの作り方
GPTsを使ったオリジナルGPTの作り方を紹介します。
①GPT Builderを開く
GPTsを使うには、Chat GPT Plusのサービスである「GPT Builder」を利用します。Chat GPTにログインし、左のサイドバーの「Explore GPT」をクリックします。次に右上の「GPTを作成する」をクリックすると、GPT Builderが立ち上がります。
自分のGPTを作る画面に移りますので、あとはGPTの質問に回答していきましょう。
②作りたいものを伝え、タイトルを決める
画面の表記に従い、会話形式でGPT Builderに何を作りたいのか伝えていきます。応答を繰り返すだけで簡単にオリジナルなGPTが完成します。GPT Builderは基本的に英語で回答しますが、「返信を日本語にしてください」と指示すると、日本語での回答も可能です。
指示した後、回答とともにGPTのタイトルを勝手に決めてくれるので、そのままで良ければ「OK」など肯定文を入力します。タイトルが気に入らない場合は変更することができます。
③ロゴを決める
タイトルが決まると、今度は勝手にロゴを決めてくれます。画像が提示されますので、イメージに合っていれば「OK」など肯定文を入力します。こちらも気に入らなければ変更可能です。
その後、目的や役割、気をつけるべき点など内容について質問が始まるので、聞かれたことに答えていきます。これらはGPTを使うユーザーとボットの会話時に反映されます。
④トーンを決める
最後にユーザーとどのようなコミュニケーションを取るのか、回答のトーンなどを決めます。フォーマルやカジュアル、親しみやすくなどから選べます。オリジナルGPTに必要な知識を学習させたい場合は、「Configure」をダブルクリックし、KnowledgeからファイルをアップロードするだけでOKです。
出来上がったGPTはすぐに試すことができるので、実際に試してみて、修正する点があれば指示を出します。特に修正点がなくそのままで良ければ「このままリリースしてOK」と伝えましょう。
最後に「保存」をクリックし、公開先を選んで確認すると保存完了します。公開先は「自分だけ」「URLを知っている人だけ」「パブリックに公開」から選べます。
作成したGPTsは収益化できる?
作成したGPTの公開先にパブリックを選択すると、GPT Storeで公開されます。Chat GPTの開発元であるOpenAIによると、2024年の第1四半期にはビルダー向けの収益プログラムが開始される予定となっています。
公開したGPTsを利用した人数に応じて報酬が支払われる仕組みになっており、これによりGPT作成による新たな収益源を得ることができるようになるでしょう。ただし、OpenAIの規約によると、各種ルールを満たしたGPTsのみ公開が可能となっています。
収益化を目指す場合は、禁止事項などを書いた各規約に目を通しておきましょう。
参考:OpenAI、「GPT Store」をスタート|収益化プログラムも開始予定
GPTsを使う際の注意点
簡単にオリジナルなチャットボットを作成できるGPTsですが、使う際には以下の点について注意が必要です。
情報漏洩の可能性がある
GPTsは、Chat GPTと同じ利用規約となっており、入力したデータを「開発・改善に利用する」ことがあるとされています。そのため、入力したデータが第三者の回答生成時に表示される恐れがあり、情報漏洩につながるリスクがあります。
GPTsを使用する際は、生成AIの学習に使用されても問題のない情報のみを入力するようにしましょう。基本的に、AIや言語モデルを使用する際は個人情報や企業の機密情報、パスワードなどは入力しないことが肝心です。
有料版のChat GPT利用者のみのサービスである
GPTsはChat GPT有料版のみのサービスであり、自分で作成する場合も、作ったオリジナルのGPTをシェアできるのも有料版の加入者のみに限定されます。
自分好みのGPTを、コーディングなどせずとも作成できるため、月額20ドルはさほど高額ではないかもしれませんが、有料版に登録してでも作成したい、もしくは利用したいのかどうか、よく検討してから加入しましょう。
時間あたりの利用制限がある
有料版のChat GPT Plusには、1分あたり最大600回、1日あたり最大100,000回という利用回数制限があります。また、1回の対話は4,097トークンまでの制限もあるので、これを超えるとAIの応答が止まる恐れがありますので、注意が必要です。
GPTsはノーコードで簡単にオリジナルGPTが作れ、収益化も可能なサービス
GPTsは、会話形式で簡単に自分好みのオリジナルなチャットボットを開発できるサービスです。日常の業務などに役立つボットを作成するなど、応用がしやすく共有もできます。利用するにはChat GPT有料版への登録が必要になりますので、利用の目的や頻度などを考えて検討しましょう。
GPT Storeの収益化プランが開始されればオリジナルのGPTで収益を上げることができるようになりますので、開発を得意とする人は新たな収益源として試してみるのもよいでしょう。
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