新卒社員向けのオンボーディングとは?成功させるポイント5選
更新日:2024年03月19日
公開日:2024年02月29日
人材育成の仕組みにオンボーディングを取り入れる企業が増えていますが、新卒社員と中途社員では導入の内容や実施期間は異なります。
この記事では、オンボーディングの概要や新卒社員向けのオンボーディングのメリット、成功に導くためのポイントについて解説しています。記事を参考にして、新卒社員向けのオンボーディング導入を成功させましょう。
目次
オンボーディングとは?
オンボーディングとは、新規採用した社員がスムーズに仕事になじみ、早期に活躍できるようにサポートしていく取り組みのことです。入社した社員に、業務に必要となる知識やスキルを覚えてもらうだけでなく、企業の風土や文化についてもレクチャーし、現場に順応できるように支援します。
オンボーディングを行うことで、新入社員の仕事に対するモチベーションを維持したり、組織に貢献する意識をもたせることが可能です。新卒の社員は就職後3年以内に離職する確率が高い傾向がありますが、オンボーディングによって早期戦力化を図ることで、離職防止につなげることも期待できます。
参考:オンボーディングとは?メリットや事前準備、戦略、成功事例を紹介
オンボーディングと新卒社員向けの研修の違い
新卒社員向けの研修は、入社直後に業務で必要となる知識やスキル、心がけなど基礎的なことを1週間から1ヶ月程度の短期集中で行います。オンボーディングは、入社後から一定期間継続して行われる育成プロセスであり、業務関連だけでなく、企業の文化やMVVなど幅広くレクチャーしていきます。
また、オンボーディングは新卒社員だけでなく中途採用者も対象です。企業に新しく加わった人材を早期戦力化し、全社で支援していく取り組みがオンボーディングです。これまでの新卒社員向けの研修ではできなかった迅速な戦力化や、早期離職に効果があるだけでなく、組織の生産性向上も見込めます。
オンボーディングの種類
一般的にオンボーディングは、職務適応と職場適応を目的に行われます。同じ目的であっても新卒社員と中途社員では施策内容が異なります。
新卒社員向けオンボーディング
新卒社員の場合は、初めて社会人となるため、学生からのマインドチェンジやビジネスの基礎知識から教える必要があります。一日も早く戦力となってもらうためにしっかりとした教育が必要ですので、オンボーディング期間は1年程度と長めに設定するパターンが大半です。
プログラム内容は、職場のルールや企業風土も取り入れつつ、業務に取り組みながら職務に適応していくことを目指します。相談しやすい環境を作ったり、定期的なフィードバックを行うなど、一人ひとりに丁寧に寄り添う仕組みが重視されます。
中途社員向けオンボーディング
中途社員の場合は、これまで身につけた価値観からのアップデートや、業界・社内・顧客に関する知識のインプットがメインです。業務に関する一定の知識・スキルを保持しているため、新卒社員よりは短めの半年程度のオンボーディング施策が一般的です。
入社後は、企業や職場に早くなじむほど、持っている能力を発揮できるようになり、即戦力として期待できます。中途社員向けのオンボーディングでは、オンライン学習なども取り入れ、参加しやすい環境を作ることとと、中途社員同士の横のつながり作りなども重要です。
参考:中途社員向けのオンボーディングとは?導入すべき理由や手法を解説
新卒社員向けのオンボーディングのメリット
新卒社員にオンボーディングをすることで、早い段階で戦力化できたり、離職防止につなげることが可能です。ここでは新卒社員向けオンボーディングを実施するメリットについて詳しく解説していきます。
早期戦力化ができる
オンボーディングでは育成プログラムに則って、新卒社員一人ひとりに丁寧な教育ができるため、仕事に必要な知識やスキルを効率的に習得することが可能です。スモールステップで目標を定めるようにすれば、自分の成長具合が確認でき、自信を持って仕事に取り組めるようになるでしょう。
担当の先輩社員との人間関係も築けるため、わからないことがあっても抱え込まずに気軽に質問できるようになり、職場になじみやすくなります。スムーズにチームや部署に順応できれば業務に集中できるため、早期の戦力化が期待できます。
離職防止ができる
オンボーディングは、組織全体で新入社員が企業の一員となることをサポートする取り組みです。プログラムを通して早期に先輩社員や関連部署の社員と人間関係を築くことができるため、人間関係での悩みの軽減につながります。
職場での人間関係による悩みは、早期離職の大きな原因の一つです。オンボーディング実施によって、人間関係でのつまずきを減少できるようになると、離職防止に大きな効果が期待できます。
採用コストの削減ができる
新しく人材を採用するには、さまざまなコストがかかります。せっかく入った新入社員が早期に離職してしまえば、採用のために使ったコストが無駄になり、新たな人材採用の費用もかかります。
採用のためのコストには、求人の広告費や会社説明会の実施、紹介会社への手数料などがあり、採用担当者も雇用しなくてはなりません。オンボーディングで離職を防止できれば、その分の採用コストを削減することが可能になります。
部署やトレーナーによる教育力の差を低減できる
一般的な新人研修は、配属先の部署の先輩や教育トレーナーが行います。その際には、人により教育・指導力に差があり、教育の効果や習得の程度が部署により異なることが難点でした。
オンボーディングは社内全体で新入社員の育成に取り組む施策ですので、適切な人材を担当者にできるのがメリットです。適切な担当者を任命し、育成プログラムに沿って全社で体系的に行うことで、教育者による能力差を低減できます。
エンゲージメントが高まり、組織力の向上もできる
エンゲージメントとは、会社に対する愛着や思い入れを持って、満足して働くことを指す言葉です。オンボーディングを行うと、新入社員は周囲から期待されていると実感でき、エンゲージメントが高まります。
また、オンボーディングで部門を超えたコミュニケーションが活性化すると、社内全体のエンゲージメントの向上も見込めるようになります。エンゲージメントが高まることによって社員の結束力が強化され、会社の業績向上も期待できるようになるでしょう。
新卒社員向けのオンボーディングを成功させるポイント5選
新卒社員向けのオンボーディングに取り組む際には、ポイントを押さえることが肝心です。
ここでは、成功させるポイントを5つ紹介します。
組織の課題を明確化する
オンボーディングを策定する際に、組織の課題を解決するプログラムを取り入れることができます。組織の現状を振り返り、「優秀な人材が定着しない」など課題を明確にすることで、解決するための具体的な施策を組み込むことが可能です。
きちんと課題に向き合って、これまでの企業の体質変革も含めて取り組むことで、オンボーディングをより有効に活用することができるようになるでしょう。
全社員がオンボーディングを理解する
オンボーディングでは、新入社員を歓迎し、複数の部門で連携して取り組む姿勢が不可欠です。一部の担当者だけでなく、全社員がオンボーディングの重要性を認識し、理解・連携することで、新入社員を歓迎する風土作りができるようになります。
その際には新入社員への関わり方や役割を伝えるようにし、参加意識を持たせることが重要です。オンボーディングを理解し、全員で支援する体制ができれば、職場の雰囲気もより良いものになるでしょう。
受け入れ態勢を整える
オンボーディングを実施する前に、受け入れ態勢を整えておくことも重要です。配属先の雰囲気や人間関係は、新卒社員にとって大きな影響を与え、離職の原因につながるからです。
事前に配属先の部署やチームの状況を探り、人間関係のトラブルなどがないか確認し、良い雰囲気づくりを心がけましょう。その際には、配属先の社員のオンボーディングへの理解が重要になります。事前にオンボーディングについての周知を徹底し、理解を得るようにしておきましょう。
教育体制を整える
オンボーディングはこれまでの新人研修とは違うため、新たな育成プログラムに沿った教育体制を整えることが必要です。業務に関連した教育担当者のほかに、関連部署との調整役や、社内のルールを伝える育成担当者など、適切な人材を任命することが重要です。
教育制度を充実させるために「メンター制度」を取り入れる企業も多くなっています。新入社員に近い立場の人が、業務や心理的なフォローを行うことで、より職場に早くなじむことができるようになります。
目標を細かく設定する
オンボーディングの育成プログラムを策定する際は、目標を細かく設定する「スモールステップ」を取り入れるとよいでしょう。チームや部署ごとの業務目標のほかに、一人ひとりに合わせた細かな目標を設定するようにします。
1週間、1ヶ月、半年など期間を決めて、定期的に目標達成度の確認とフィードバックを行います。それによって成長度合いがわかりやすくなり、自信やモチベーションアップにつなげることが可能です。
オンボーディングで新卒社員の早期戦力化を支援しよう
オンボーディング導入によって、新卒社員は効率的に業務に必要な知識やスキルを習得でき、早期に職場になじみ活躍できるようになります。新卒社員向けのオンボーディングでは、目標の設定や適切な育成プログラムのほか、社内の理解・協力体制が重要ですので、ポイントを押さえて導入しましょう。
新卒社員の早期戦力化が実現できると、離職率の低下や生産性の向上にもつながりますので、ぜひこの機会にオンボーディング導入に取り組んでみてください。
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