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プロンプトエンジニアとは?役割や仕事内容から必要なスキルまで解説

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更新日:2024年03月11日

公開日:2024年01月19日

プロンプトエンジニアという言葉を聞いたことはあっても、どのような役割か知らない人は多いのではないでしょうか。プロンプトエンジニアとは、AIから適切な答えを導き出すための指示文を作る仕事です。

この記事では、プロンプトエンジニアの仕事内容や、必要スキルについて解説します。

プロンプトエンジニアとは?

プロンプトエンジニアとは、AIから適切な答えを導き出すためにメッセージにより指示するエンジニアです。近頃、文章や画像、動画を生成するAIが発達し、一般ユーザーでも手軽にAIに触れられるようになりました。しかし、AIへの指示にはコツがあり、使ってはみたものの適切な生成物が得られなかったという人は珍しくありません。

プロンプトエンジニアは、AIが理解しやすいようなメッセージを設計する専門家です。AIの特徴を把握し試行錯誤することにより、コンテンツをスムーズに生成できるようになります。

参考:生成AI(ジェネレーティブAI)とはメリット・デメリット、使い方を解説

プロンプトとは

プロンプトとは、ユーザーがAIに対して入力する指示のことです。AIが理解しやすいよう、より具体的に指示を入力すると、ユーザーが求めているものに近い答えが得られます。以下は、ChatGPTに入力する指示とAIからの答えの比較です。

例:「赤いもの」を連想したい場合

  • 「赤」とだけ指示を入力:「どのようなイメージを作成しましょうか?詳細を教えていただけると助かります。」
  • 「赤いものを連想してください。」と指示を入力:「赤いバラ、赤いリンゴ、または日の出時の赤い空などが挙げられます。」

「赤」だけでなく「連想してください」という命令を付け足すと、ユーザーの指示どおり「赤いもの」をイメージした返答が返ってきました。このように、AIが理解しやすいような指示を組み立てるのが、プロンプトエンジニアの役割です。

参考:ChatGPT(チャットGPT)とは?料金や始め方、上手に使うコツを紹介

プロンプトエンジニアが注目される理由

プロンプトエンジニアが注目されている一因として、AIを効果的かつ適切に扱える人材の不足が挙げられます。近頃、ChatGPTのような高度な生成AIが発達し、サイトにアクセスすれば誰でもツールに触れられるようになりました。しかし、生成AIの急激な普及に対し、ツールのよさを最大限に引き出せる人材が足りていません。

そこで、AIをより効果的に扱うプロとして、プロンプトエンジニアが世界的に注目されるようになりました。また、ユーザーがAIを適切に使えるよう、プログラミングスキルや分析力により手助けする専門家の需要も増えています。

プロンプトエンジニアの重要性とその役割

では、プロンプトエンジニアはプロンプト作成において、どのように活躍しているのでしょうか。

問題の定義と目的の明確化

プロンプトエンジニアがユーザーをサポートする最初の段階として、AIを用いて何を行い、どのような効果を期待するのかを明確にします。ユーザーのニーズは企業や業務形態によって多種多様なため、ヒアリングによりニーズや課題の整理が必要です。

たとえば、業務効率の改善を図るなら自動チャットボット作成、アイデア出しの手助けが必要なら台本生成システム作成などが考えられます。

ユーザーが困っていることに対し、AIを用いてどのように解決するかを考えるのもプロンプトエンジニアの役割です。

適切なコンテキストの提供

AIの効果的な活用には、指示や命令などのコンテキストの適切な提供についても考える必要があります。AIは、人によって解釈が異なる、あいまいな指示への対応が苦手です。期待どおりの生成物を得るために、ユーザーはなるべく詳しく命令を打ち込む必要があります。

命令文の例

  • 改善前:プロンプトエンジニアについてわかりやすく短文で説明してください。
  • 改善後:小学生にもわかるよう、プロンプトエンジニアについて100字で説明してください。

「わかりやすさ」や「短文」のような人によって程度が異なる表現は、具体的な対象や数値に置き換えるとAIの理解度が増します。成果物が適切に得られるような工夫も、プロンプトエンジニアの役割の一つです。

誤解やバイアスの回避

AIが誤解して学習したりバイアスを引き起こしたりしないように調整するのも、プロンプトエンジニアの役割。

AIは入力内容を学習するシステムですが、間違ったことを覚えてしまい期待とは異なる生成物が仕上がる場合があります。AIの誤解やバイアスは、前提とする情報の質や量の偏りにより生じることが多いです。プロンプトエンジニアには、生成物が正しく仕上がるよう、情報を正しく配置する能力が求められます。

フィードバックループの構築

プロンプトを構築したのち、ユーザーがよりシステムを使いやすくなるようにフィードバックを行います。プロンプトを構成したものの、問題点が見つかったりユーザーのニーズが変わったりする場合は珍しくありません。改善点を放置するとシステムの使い勝手が悪いうえ、ユーザーの本来のニーズから離れてしまいます。プロンプトエンジニアには、構築したプロンプトのフィードバックや改善点の速やかな対応が必要です。問題点が生じても早期に対処しておけば、あとから起こりうる重大なトラブルを防げます。

プロンプトエンジニアの仕事内容

プロンプトエンジニアがどのような仕事をしているのか、気になる人も多いでしょう。ユーザーが安心してプロンプトを使用できるように、さまざまな角度からの工夫や分析が必要となります。

プロンプトの設計や開発

ユーザーの目的に合わせて、プロンプトの設計や開発を行います。ユーザーに満足してもらえるプロンプト設計には、以下の2つの視点からの開発が必要です。

  • ユーザーが直感的に使いやすい
  • AIが理解し処理しやすい

たとえば、ユーザーにとって使いやすいシステムの設計には、対話型AIのガイドラインや、検索バーに入力するテキスト作成が必要です。また、AIがユーザーからの指示を正しく処理できるよう、前提とする情報の精査が求められます。プロンプトエンジニアには、ユーザーとAI両者の視点からプロンプトを設計する姿勢が必要です。

AIモデルの分析

プロンプトエンジニアは、AIの回答や提案を分析し生成物のクオリティを評価します。一見AIによる回答が正しいように感じられても、数回チャレンジすると間違った提案が返ってくる場合は珍しくありません。プロンプトエンジニアはAIによる生成物の質を一定に保てるよう、回答や提案がどのように導き出されているのかを分析します。なお、分析にはユーザーとAIの実際の対話データを用いながら、モデルの挙動や性能のチェックが必要です。

プロンプトのブラッシュアップ

ユーザーからの意見や分析結果をもとに、プロンプトのブラッシュアップを行います。ユーザーに長期的にプロンプトを使用してもらうには、使い勝手のよさへの配慮が必要です。ユーザーからのフィードバックやAIシステムの使用状況を分析し、プロンプトの言語や構造の調整を行います。適切にブラッシュアップを行うことで、ユーザーのノンストレスなプロンプト使用が可能です。

プロンプトエンジニアに必要なスキル

プロンプトエンジニアの役割がわかったところで、仕事をするうえで必要なスキルが気になる人も多いでしょう。プロンプトエンジニアには、AIやプログラミングの知識だけでなく、適切な言語化スキルが求められます。

AIの知識

プロンプト構築のプロとして最初に押さえておきたいのは、AIにおける基礎知識です。

たとえば、AIが今までにない挙動を起こした場合、原因を探り出し適切な対策を打つ必要があります。ユーザーのAIへの指示から最終的な出力に至るプロセスを理解していないと、問題の根本的な解決は困難です。したがって、効果的なプロンプト構築には、AIの学習方法や情報処理、出力におけるメカニズムの把握が必要となります。

自然言語処理(NLP)の知識

自然言語処理(NLP)とは、コンピューターが人間の言葉を理解し使えるようにする技術です。たとえば、スマートフォンの音声アシスタントに「明日の天気は?」と聞くと、コンピューターが人間の言葉を理解し天気予報を教えてくれます。このような処理を行えるのは、自然言語処理があるためです。プロンプトエンジニアは、ユーザーの入力を解析し、適切な応答を生成するために自然言語処理の技術を学ぶ必要があります。

プログラミングスキル

プロンプト自体の知識だけでなく、プログラミングスキルを持っていると仕事で役立つ可能性があります。プロンプトエンジニアはプロンプト作成が主な仕事ですが、前述した自然言語処理(NLP)に携わるうえでプログラム言語の理解が必要です。また、プログラミング知識を持っていると、AIを用いたコード生成やエラー箇所の発見で活躍できる場合があります。プログラミングスキルを持つプロンプトエンジニアは、よりユーザーの要望に沿った人材となれるでしょう。

言語化スキル

これまでに紹介したAIやプログラミングのような数的思考能力のほかに、言語化スキルも求められます。AIに明確な指示を出すためには、思考やアイデアをわかりやすく言語化するスキルが必要です。さらにAIが指示を理解しやすいように、言語化した文章を適切に組み立てる思考力が求められます。普段から自分の考えを相手に説明したり、知識を教えたりして伝え方の練習を行いましょう。

プロンプトエンジニアに向いている人の特徴

プロンプトエンジニアに必要なスキルを知り、自分に向いているか不安になった人もいるかもしれません。プロンプトエンジニアにおけるスキルは学習で身につけられるうえ、ポテンシャルが活きる可能性がある点を理解しましょう。

学習意欲が高い人

プロンプトエンジニアは、新しいことを学ぼうとする学習意欲が高い人に向いているでしょう。AI分野は急速に発達しており、最新の技術トレンドやプログラミング言語、業界の状況は目まぐるしく変わります。新しい情報への好奇心や、知らないことを学び続ける姿勢は業界で長く活躍するために必要です。自発的に新しい知識を習得することに喜びを見いだし、絶えず努力できる人には特に向いていると考えられます。

専門知識や得意分野を持っている人

プロンプトエンジニアは、すでに特定の専門知識や得意分野を持っている人に向いています。プロンプトエンジニアで活かせるスキルは、プログラミングや自然言語処理、データ分析のようなAI領域だけにとどまりません。喜ばれるプロンプトの導入には、AIを必要とするユーザーの業界への理解が必要です。多様な領域で働いた経験や特定の資格を持っている場合、プロンプトエンジニア実務で役立つ可能性があるでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

プロンプトエンジニアには、ユーザーのニーズを理解するためのコミュニケーション能力が求められます。ここでいうコミュニケーション能力とは、ユーザーから課題を引き出し、アイデアや解決策を共有するスキルのことです。適切なプロンプト作成には、ユーザーのビジネス課題やニーズを理解したうえでプログラミングに落とし込む必要があります。調整力や交渉力が高ければ、相手のニーズを反映したプロンプト設計が可能です。

プロンプトエンジニアになるには?

プロンプトエンジニアを目指すために、必要な準備について知りたい人も多いでしょう。専門知識を要する職業のため、実務的なスキルを身につけておくべきです。

実際にプロンプトを生成する

プロンプトエンジニアになるには、実際にプロンプトを生成し実践的な経験を積みましょう。生成AIツールは無料で使えるものも多く、思い立ったらすぐに手に取れます。最初は基本的なプロンプトの作成から始め、徐々に複雑な内容の設計にチャレンジするのがオススメです。

なお、生成AIツールにはそれぞれ特徴があり、回答のパターンが異なります。生成AIツールは一つだけでなく、複数使うようにすると各システムの性格が理解できるでしょう。

プログラミング知識を身につける

プロンプトエンジニアとして活躍するには、実務で使えるプログラミング知識を身に付けましょう。プロンプトエンジニアを目指す人が習得したいプログラミング言語は、以下のとおりです。

  • C++
  • Python
  • JavaScript
  • 自然言語処理(NLP)

また、ソフトウェア開発の基本やAPIの使用方法なども、プロンプトエンジニアの関連スキルです。独学やワークショップを通じて、プロンプト生成に必要な知識を効率的に習得しましょう。

AIエンジニアに関連する資格を取得する

プロンプトエンジニアとしてのキャリアを強化するには、AIエンジニアに関する資格取得が有効です。以下は、代表的なAIエンジニア関連資格です。

  • Python3エンジニア認定基礎試験
  • Python3エンジニア認定データ分析試験
  • G検定

資格取得はプロンプトエンジニアとしての専門性を高めるだけでなく、就職やキャリアアップの際にも有利に働きます。プロンプト作成に活きる知識を深めつつ、プログラミング全般について知っておきたい人にオススメです。

プロンプトエンジニアの役割を理解し知識習得を目指そう

プロンプトエンジニアはAIへの指示文を作成する仕事ですが、適切なプロンプトを作るにはエンジニア知識だけでなくユーザーとの調整力も必要です。プロンプトエンジニアの仕事内容を理解し、必要なスキル習得を目指しましょう。

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執筆者

ACES Meet 編集部

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